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2025年6月10日火曜日

マンション保険の見直し

 

マンション保険のことを知ろう


昨今マンション保険の値上げが止まらない。5年毎の更新さえ忘れがち。気が付けば保険の更新時期となり見積金額をきいて思考停止になる事も多々あると聞きます。
今回は保険料見直しについて。

個人賠償責任保険(個賠)

そこで今回は2023年倉敷市マンションセミナーにて講師を務めたレジメを記事を掲載。要点は個人賠償責任保険(個賠)をマンション総合保険から外す事により保険料を削減するというものです。
管理費の削減に頭を悩ます管理組合もあるが、こと保険のことは眼中にないことが見受けられます。しかし高額の保険料を見直して管理費総額を削減することはあまり関心がないようで勿体ない状況です。検討の価値あると思うのだが。























2025年5月26日月曜日

区分所有法改正2025/3.団地の管理・再生の円滑化

 3.団地の管理・再生の円滑化を図る方策


団地関係に区分所有の規定を準用し、読み替える規定が表の形で整備された(新区分所有法6 6条)。 
6 8条規約の設定要件の変更(拡張的団地関係形成の要件の変更)
専有部分のある建物を団地管理対象物とする場合の各棟の決議要件にっいて、出席者多数決とした。

3-1.団地一括建替えの全体要件と各棟要件の緩和

Q3-1:
F団地は、5棟(1棟あたり10戸、1住戸1議決権)、全50戸の団地型 マンションである。
同団地では、団地一括建替え決議が行われ41戸の区分所有者、かつ、土地の共有持分の5分の4以上の賛成を得られた。
各棟の賛否の状況としては、うち4棟は9名の区分所有者が賛成している。
しかし、1棟については、5名が賛成し、3名が反対し、2名は棄権という状況であった。団地一括建替え決議は成立するか。

A3-1:
(現区分法)
•各棟要件は頭数及び議決権の各3 分の2 以上の賛成が必要
• 5 名の賛成なので、3分の2 (7名)以上の賛成の要件を満たさない。
団地一括建替え決議不成立

(新区分法)
•各棟要件は頭数及び議決権の各3 分の1 以上の反対がないこと(新区分所有法7 0 条1 項)
• 3名の反対であるので、3分の1(4名)以上の反対がない、という要件を満たす。
団地一括建替え決議成立

解説:
原則:区分所有者の頭数及び議決権(土地の持分割合)の各5分の4以上の賛成(新区分所有法7 0条1項)
例外:客観的な緩和事由があるすべての棟にある場合には各4分の3以上の賛成により成立(新区分所有法7 0条2項)
各棟要件
各棟の区分所有者の頭数及び議決権(共用部分の持分割合:規約で別段の定めがあればそれによる)の3分の2以上の賛成 
—新区分所有法70条1項ただし書:頭数及び議決権の3分の1以上の反対がないこと

団地内建物(特定建物)の建替えの際には、団地管理組合における建替え承認決議が必要(区分所有法6 9条)。決議要件は、議決権(土地の共有持分)の4分の3以上の賛成。
これまで実例はほどんどないが、今後マンションの高経年化•老朽化が進行していくことが見込まれることから、特定建物の建替えを行うニーズが高まると想定され、特定建物の建替えの円滑化の必要性がある。
一括建替え決議否決後に、一部の区分所有建物の区分所有者がその建物の建替えだけでも行いたいとするケースも想定される。
基本的多数決割合は、議決権の4分の3以上とすることを維持しつつ(新区分所有法6 9条1項)、特定建物に客観的な緩和事由がある場合には、3分の2に緩和(同条8項)。 
また、出席者多数決の対象にもする(同条1項)。

3-2.団地内建物•敷地の一括売却

Q3-2:
G団地は、立地や地価を踏まえると、一括建替えを実施することは難しいと判断し、団地全体の区分所有建物と敷地を一括で売却することを検討している。
区分所有法が改正された場合、団地内の建物と敷地を一括で売却することができるか。

Q3-2:
現行法では、団地内の建物と敷地を一括で売却するには、民法の共有のルールにしたがい(また区分所有権については個別の処分)、区分所有者全員の同意が必要となる。
特別団地関係における新たな再生の選択肢として、団地内建物の一括建替え決議と同様の決議要件により、団地内の全ての建物と敷地を一括して売却するという制度を導入(新区分所有法71条)。





区分所有法改正2025/2.再生の円滑化

 2.区分所有建物の再生の円滑化を図る方策

背景
  • マンンションストック数 約704万戸、築40年以上のマンション約140万戸(2023年末) 
  • マンション建替えの実績297件•約2万4千戸(2024年4月1日時点) 
  • マンション敷地売却の実績11件•約700戸(2024年4月1日時点)
 高経年マンションは今後急増。所有者不明等による合意形成の困難化も2020年7月17日閣議決定「規制改革実施計画」において建替えの円滑化(建替え要件の緩和•所有者不明の者を決議の分母から除く制度)が検討 課題に盛り込まれていた。

2-1.建替え要件の緩和•賃貸借の終了請求

Q2-1A:
Dマンションは、建替えを検討している。ここは旧耐震基準により建てられた昭和50年築のマン ションで、Is値(耐震指数)は0.6未満である。耐震補強工事を行った上で、長寿命化を図っていくことも検討したが、耐震補強工事を行うよりも「建替え派」の方が多数なので、まずは、いわゆる 「建替え推進決議」を行おうと考えている。
理事長は、建替え推進決議に先立って、将来的に建替え決議を 行うのであれば多数決要件がどの程度なのか調べたところ、 区分所有法の改正の動きを知り、改正後の多数決割合を知りたいと考えている。

A2-1A:
(現区分法)
区分所有者及び議決権の5 分 の4以上の賛成多数であれば 成立

(新区分法)
原則:区分所有者の頭数及び議決権の各5分の4以上の多数決のルールが維持される(新区分所有法 62条1項(旧区分所有法と同じ))
例外:多数決要件を緩和する事由(客観的な緩和事 由)を満たす場合には区分所有者の頭数及び 議決権の各4分の3以上の多数決により成立(新区分所有法62条2項)

解説:
建替え決議の緩和
建替え決議
原則 区分所有者の頭数及び議決権の各5分の4以上の多数決(新区分所有法6 2条1項)
例外多数決要件を緩和する事由(客観的な緩和事由)を満たす場合には各4分 の3以上の多数決により成立(新区分所有法6 2条2項)客観的な緩和事由=旧マンション建替え等円滑化法(現行法)の要除却 認定の要件と同様のもの(ただし、要件緩和の前提として特定行政庁による要 除却の「認定」は不要)

5つの客観的な緩和事由(具体的な基準は法務大臣が定め る)(新区分所有法6 2条2項)
①耐震性の不足(Is値が0.6未満のもの)
②火災に対する安全性の不足(建築基準法令の規定不適合)
③外壁等の剥落により周辺に危害を及ぼすおそれ
④給排水管の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ
⑤バリアフリー基準への不適合

Q2-1B:
Q2-1の数年後、Dマンションでは、建替え決議が成立し た。同決議成立前から501号室に居住している賃借人は、「建替えが実施されても自分は退去しない。 ずっと部屋に居るつもりだ」と主張しています。 建替えに賛成した501号室の区分所有者やその他の 建替え参加者は、501号室からの退去を求めることができるでしようか。

A2-1B:
501号室の区分所有者建替え参加者は、賃借人 に対して、賃貸借の終了請求をすることができる。
終了請求後6力月経過で501号室の賃貸借契約は終了する。ただし、賃貸人である501号室区分所有者は賃借人に対し補償金を支払 わなければならず、終了請求を賃貸人以外の建替え参加者等が行った 場合には、その者も連帯責任を負う

解説:
①建替え決議に賛成した各区分所有者
②建替え決議の内容によリ建替えに参加する旨を回答した区分所有者 (これらの承継人を含む)
③ これらの者の全員により指定された者
④賃貸人である区分所有者
賃貸借の終了請求後、6力月を経過すると賃貸借が終了する(同条2項)。
賃貸人は、賃借人に対し、賃貸借の終了により通常生ずる損失の補償金を支払わなければな 
らない(同条3項)。また、請求した者は賃貸人と連帯責任を負う(同条4項)。
明渡しと補償金の支払いは同時履行の関係に立つので、賃借人は補償金の支払を受けるまで 
は明渡しを拒むことができる(同条5項)。

2-2.建物の更新(一棟リノベーション)

Q2-2:
Eマンションでは、自己負担額の多い建替えではなく、 それを抑えられる可能性のある建替えに代わる工法を 探している。
同マンションの区分所有者は「一棟リノベーション」 という方法によれば、建替えと同様の効果が得られる 上、費用も抑えられる可能性があると知って、これを 実施したいと考えている。全員の同意を得なければこ の工事は進められないのでしようか。

A2-2:
建物の更新=建物の構造上主要な部分の効用の維持又は回復(通常有すべき効用の確保(=現状維 持にとどまらない積極的に価値を増進させるような改修)を含む。)のために共用部分の形状の変 更をし、かつ、これに伴い全ての専有部分の形状、面積又は位置関係の変更をすることをいう(新 区分所有法6 4条の5第1項)。
建物全体をスケルトンにして、専有部分の形状等を組み替える工事を想定。建替え要件と同様の要件で実施できる。
専有部分の形状等を変える工事であるので、従来は、全員同意が必要であった。改正法 によればこれを多数決決議ぐ※)で行うことができるようになる。

2-3新たな再生手法や解消制度等の導入

建替えと同様の決議要件(原則4/5、緩和事由あり3/4)により 以下の決議が可能となった。
① 建物敷地売却決議(新区分所有法6 4条の6 )
②建物取壊し敷地売却決議(同法6 4条の7 )
③取壊し決議(同法6 4条の8)
これまではマンション建替え等円滑化法のマンション敷 地売却により特定要除却認定+4/5決議により区分所有 関係の解消をしていたが、特定要除却認定を受けずに解 消決議ができる

次回

2025年5月25日日曜日

区分所有法改正2025/1.管理の円滑化(後編)

 

区分所有法改正のポイント

区分所有法改正のポイント三つ
  1. 区分所有建物の円滑化を図る方策
    1-1.所在等不明区分所有者を決議の分母から除外する制度(除外決定)
    1-2.出席者(委任状•議決 権行使書含む)の多数決により決議可能に
    1-3.共有住戸の議決権行使者の指定は共有者の過半数で
    1-4.所有者不明 専有部分管理人
    1-5.管理不全 専有部分管理人
    1-6.管理不全共用部分管理制度
    1-7.その他
  2. 建替え要件の緩和•賃貸借の終了請求
    2-1.建替え要件の緩和•賃貸借の終了請求
    2-2.建物の更新(一棟リノベーション)
    2-3.新たな再生手法•解消制度の導入
  3. 団地の管理・再生の円滑化を図る方策
    3-1.団地一括建替えの全体要件と各棟要件に緩和
    3-2.団地内建物・敷地の一括売却
前編に引き続き、今回は1.区分所有建物の再生の円滑化の後編(1-4~1-7)についての解説

1.区分所有建物の管理の円滑化を図る方策
(後編1-4~1-7)


1-4.所有者不明 専有部分管理人

Q1-4:
Aマンションの301号室の区分所有者が死亡し、相続人 全員が相続放棄をしました。
同人死亡後301号室の管理費は3年間滞納状態にありま す。
Aマンションの管理組合は、当該住戸から滞納管理費を 回収したいと考えています。
どうすればよいでしょうか。

A1-4:
所有者不明専有部分管理人の選任が可能になった。
(必要な調査を尽くした上で)区分所有者を知ることができず(相続人全員の相続放棄等)、またはその所在を知るこ とができない場合、利害関係人が裁判所に申し立てることで、裁判所が、専有部分(共用部分、敷地利用権等も含む) の管理人(所有者不明専有部分管理人)を選任する制度が創設される。
専有部分の管理不全、マンション全体への悪影響を防ぐため。 また、専有部分が流通に供されないという 不利益が生ずる。

新たな制度の必要性•「物」単位の財産管理人の創設
利害関係人:他の区分所有者、専有部分の共有者の一部が不明である場合の共有者、 
管理者、管理組合法人、購入計画に具体性がある場合の購入希望者など
財産管理人候補者:弁護士、司法書士、当該マンションの管理者、管理業者等

1-5.管理不全 専有部分管理人

Q1-5:
Aマンションの401号室は大量にたまったゴミのた めに悪臭を発しており、水道管からの水漏れも発生 しています。
管理組合としては、どのような対応がとれるで しょうか。

A1-5:
専有部分の管理が不適当であることによって他人の権利または法律上保護される利益が侵害され、また は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、 管理不全専有部分管理人を選任することができる。
利害関係人:管理不全によって権利•利益の侵害を受け、または受けるおそれのある者(区分所有者も 周辺住民も含まれる。管理者•管理組合法人も含まれることが想定されている)
■申立権者:利害関係人
■専有部分の管理が不適当であることによって権利又は法律上保護され利益が侵害され、侵害されるおそれがある者 
■要件:
① 区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又 は侵害されるおそれがある場合
②必要があると認めるとき
■必要があるとみとめるとき
-管理不全専有部分管理人による管理を命ずることが必要かつ相当である場合。管理がされていない、管理されている ものの不十分である場合など。
■管理対象物:
①専有部分(または専有部分の共有持分)
②専有部分•共用部分•附属施設•建物の敷地にあり、かつ管理不全専有部分の区分所有者が所有する動産
③共用部分に関する権利
④ 附属施設に関する権利
⑤敷地利用権
⑥売却等の結果得た財産(価値転化物)

1-6.管理不全共用部分管理制度

Q1-6:
Bマンションは、外壁のコンクリートが爆裂し 剥落しています。
今後も剥落が継続的に発生しそうです。 
同マンションでは管理者が選任されておらず、 集会も開催されていないようです。
周辺住民としては、どのような対応をとることができるでしょうか。

A1-6:
管理不全共用部分管理人の選任が可能になった。
共用部分の管理が不適当であることによって他人の権利または法律上保護される利益が侵害され、 または侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求に より、管理不全専有部分管理人を選任することができる。
利害関係人:管理不全によって権利•利益の侵害を受け、または受けるおそれのある者(主に周辺住民が想定されるが、区分所有者による申立ても排除されてい ない)
管理不全共用部分管理人の権限:保存行為、管理不全共用部分の性質を変えない範囲において、その利用又は改良を目的とする行為

申立権者:利害関係人
■共用部分の管理が不適当であることによって権利又は法律上保護され利益が侵害され、侵害されるおそれがある者 
■要件:
① 区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又 は侵害されるおそれがある場合
② 必要があると認めるとき(新区分所有法4 6条の13) 
■必要があるとみとめるとき
■管理不全専有部分管理人による管理を命ずることが必要かつ相当である場合。管理がされていない、管理されてい るものの不十分である場合など。
■管理対象物:
①共用部分(または専有部分の共有持分)
②共用部分にあり、かつ共用部分の所有者が所有する動産
•マンション(区分所有建物)の解体をするには、共用部分の共有者全員の同意が必要 
•管理不全共用部分の管理に係る費用及び管理人の報酬の支払義務は、共用部分の 共有者が連帯して負担する

1-7その他

管理組合法人の規定と管理組合法人による専有部分•近隣土地の取得
管理組合法人による専有部分•近隣土地の取得
1.管理組合法人は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うために必要 な場合には、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以 下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合 にあっては、その割合以上)の者であって議決権の過半数(これを上回る割 合を規約で定めた場合にあっては、その割合以上)を有するものが出席し、 出席した区分所有者及びその議決権の各4 分の3 以上の多数による決議をす ることによって、当該建物の区分所有権又は当該建物及び当該建物が所在す る土地と一体として管理若しくは使用をすべき土地を取得することができる。
 
2 管理組合法人は、前項の規定により区分所有権を取得した場合であって も、第3 8 条の規定にかかわらず、当該管理組合法人の集会における議決権 を有しない。

次回は

区分所有法改正2025/1.管理の円滑化(前編)

 区分所有法改正のポイント


23年ぶりに改正となった背景は高経年マンションの増加に伴う管理方策の整備といことになる。マンション未来価値研究所のレポートから引用する。施行は2026年4月からなのでこの時期に各管理組合は規約改正ラッシュとなることだろう。
改正のポイントは大きく分けて3つ。
  1. 区分所有建物の管理の円滑化を図る方策
    1-1.所在等不明区分所有者を決議の分母から除外する制度(除外決定)
    1-2.出席者(委任状•議決 権行使書含む)の多数決により決議可能に
    1-3.共有住戸の議決権行使者の指定は共有者の過半数で
    1-4.所有者不明 専有部分管理人
    1-5.管理不全 専有部分管理人
    1-6.管理不全共用部分管理制度
    1-7.その他
  2. 区分所有建物の再生の円滑化を図る方策
    2-1.建替え要件の緩和•賃貸借の終了請求
    2-2.建物の更新(一棟リノベーション)
    2-3.新たな再生手法や解消制度等の導入
  3. 団地の管理・再生の円滑化を図る方策

1.区分所有建物の管理の円滑化を図る方策


1-1所在等不明区分所有者を決議の分母から除外する制度(除外決定)

Q1:
Aは、50戸のマンション(1住戸1議決権)である。 
建替え決議では39人の区分所有者が建替えに賛成した。 
建替え決議は成立するか?
なお、区分所有者のうち1名は亡くなり、その相続人全員が相 続放棄していた。また別の1名は施設に入ったと聞くが住民票を移しておらずどこに行ったか分からない。

A1:
(現区分法)
•区分所有者及び議決権の5分の4以上の賛成多数であ れば成立。
• Aマンションでは、40人の賛成がなければ成立しない。
よって39人の賛成なので、不成立

(新区分法)
原則として、区分所有者及び議 決権の5分の4以上の賛成多数であれば成立。
•ただし、除外決定の制度がある。
• 2名の所有者は除外決定 により決議の分母から除外することができる。
•よって48人の5分の4 = 39人の賛 成により建替え決議は成立するため、39人の賛成により建替え決議成立

解説:
所在等不明区分所有者を決議の分母から除外する制度(除外決定)
所在等不明区分所有者がいる場合、裁判(非訟事件手続)により、決議の分母から除外する制度が新設された。所在等不明区分所有者=区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき管理者、管理組合法人、区分所有者個人が裁判所に申立てることができる。

1-2出席者(委任状•議決 権行使書含む)の多数決により決議可能に

Q2:
Aマンションは、50戸のマンション(1住戸1議決権)である。規約改正を上程した総会では30人の区分所有者が出席し(委 任状•議決権行使書含む)、内23人の区分所有者が賛成した(全体の46%の賛成)。 規約改正は成立するか?

A2:
(現区分法)
•区分所有者及び議決権 の4分の3以上の賛成多 数であれば成立
• 23人/50人であるので、4分の3以上の賛成がな く不成立

(新区分法)
出席している区分所有者の 頭数及び議決権の4分の3以 上の賛成多数であれば成立。
•定足数は過半数。
• 30人が出席しているので定 足数を満たすので集会の成 立要件を満たす。
•  23人/30人(76%)である ので、出席者の4分の3 (75%)以上賛成多数であ り成立

解説:
区分所有権の処分を伴わない決議を対象に出席者多数決で決議できるとした。
出席者とは総会に参加し議決権を行使した者の他、委任状、議決権行使書も当然に含まれることに注意。
① 普通決議
② 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。以下同じ。)の決議
③ 復旧決議
@規約の設定•変更•廃止の決議
⑤ 管理組合法人の設立•解散の決議
⑥ 義務違反者に対する専有部分の使用禁止請求•区分所有権等の競売請求の決議及び専有部分の引渡し等の請求の決議
⑦ 管理組合法人による区分所有権等の取得の決議
建替え•解消のような区分所有権の処分を伴う決議は対象外 で定足数=頭数と議決権の過半数(普通決議以外)とした。併せて招集通知に議案の要領も記載しなければならない

総会決議の定足数
普通決議:区分所有法3 9条1項により普通決議の議決要件は規約により 緩和できるので、標準管理規約4 7条1項のままでもよい。
特別決議:改正法では、定足数は上乗せできるが、緩和できないので、標準管理規約の定足数の定めは無効となる。改正法の内容の定足 数で考えなければならない。

総会決議の決議要件
普通決議:区分所有法3 9条1項により普通決議の議決要件は規約により緩和できるので、標準管理規約4 7条2項のままでもよい
特別決議:管理規約と改正法のどちらが優先するか?という問題。法務省は特別決議について改正法 の出席者多数決を優先する趣旨と考えている可能性が高い。
そのため、特別決議の決議要件は、改正法と同じ出席者多数決に読み替える必要がある (現行のままの決議要件にすることはおそらくできない)

1-3共有住戸の議決権行使者の指定は共有者の過半数で

Q3:
Aマンションは、50戸のマンション(1住戸1議決権)である。 建替え決議では39人の区分所有者が建替えに賛成した。ある住戸は決議前に区分所有者が死亡し相続人3名が相続した。 
建替え決議にあたって相続人の意見調整が図れず2名は賛成したが1名は反対であり、議決権行使者を指定できなかった。 
この1戸が賛成していれば40戸の賛成が得られた。建替え決議は成立するか?

A3:
(現区分法)
• 議決権行使者を共有者間でどのように定めるかは明文規定がな かった
•建替えの場合全員合意により議 決権行使者を指定(解釈)
よって2/3の賛成であるので議決権行使者か指疋で きない

(新区分法)
区分所有権の持分の過 半数の者により議決権行使者を指定できる 
• 2/3が賛成しており、2名により議決権行使者が指定できる。
よって40戸の賛成が得られているので建替え決議か成立する。

後編はこちら


2025年5月18日日曜日

<管理NOTE>

このコラムは加藤マンション管理士のHP、管理NOTEから転載しています


 1 自主管理マンションと会計


自主管理マンションで管理運営されている皆様ご苦労様です!

 収納・会計の煩雑さにご苦労はありませんか。特に会計担当を属人化して任せっきりのままにすると将来的に事故など問題を抱える可能性があります。
収納・会計はできればプロに頼るか、専用アプリを使って誰もが可視化できるようにすることをお勧めします。



2 管理会社任せにしない


管理会社と管理組合の契約は請負契約ではなく、委託契約であることに再確認しましょう。
委託契約外のことを管理会社に求めてはいないでしょうか。
管理の主体はあくまでも管理組合です。
契約外、対価以上のものを管理会社に求めて関係を悪化させないようにしたいものです。



3 管理組合の運営は手続きの透明性と可視化から

手続きのルールが曖昧であれば誤解と混乱をおこします。運営上のルール(管理規約)の再確認をしましょう。組合員と共通の言語(管理規約)があって初めて組織として体を成します。そして運営が誰もがチェックできるよう可視化することに努めましょう。
(岡山・倉敷 加藤マンション管理士事務所)



4 リコール情報 リンナイ浴室暖房乾燥機

2025年4月リンナイ製一部型式に 温風等を浴室内に循環させるファンモーター内部のリード線引き出し部が経年的に腐食することで短絡が起き、発火するおそれがあるとしてリコール届。 対象製品の点検・修理を無償で実施 するとしている。ぜひご自宅の浴室暖房乾燥機の型式を確認下さい。
詳細はこちら
(岡山・倉敷 加藤マンション管理士事務所)


このコラムは加藤マンション管理士のHP、管理NOTEから転載しています


2025年3月27日木曜日

☆自己紹介☆

自己紹介


こんにちは!
加藤典保といいます。
岡山県マンション管理士会で副会長やってます!
マンション居住歴30余年でもあります。
マンション管理士と名乗ってもマンションに住んだことがないマンション管理士とは一線を画します(笑)
あなたのマンションについてのお悩みや相談など困りごとがありましたらご相談承ります。
先ずはメールにてご相談下さい。HPも覗いてみて下さい!



実績

自主管理マンションの再構築
・管理規約4改訂
・管理費・修繕積立金見直し
・工事選定業務 等
一般マンション管理組合
・規約改定案作成
・長期修繕計画見直し
・管理費・修繕積立金見直し
・機械式駐車場経費見直し
・理事会運営再構築
・大規模修繕計画手続き
・資産価値向上に努める諸業務
・一般相談業務
公益活動
・岡山市定例マンション管理無料相談会
・岡山市マンション管理士派遣制度受託
・倉敷市マンション管理士派遣制度受託
・倉敷市マンション管理セミナー講師(2023年)
・岡山市市民活動支援アドバイザー

サービス案内

一般相談業務
理事会、管理組合向け勉強会
役員〈監事等)就任による理事会活性化と運営最適化業務
顧問業務
管理計画認定制度の認定マンション取得するまで指導と実務
マンション管理適正化診断業務(日管連)

マンション管理士

日本マンション管理士連合会(日管連)岡山県会副会長
・認定マンション管理士
・診断マンション管理士
管理組合損害補償金給付制度加入
管理計画認定制度認定審査官
・管理適正評価制度(マンション管理業協会)チェックサポーター

目指すもの

マンションの管理は様々です。大規模から小規模、複合型から担当型、団地型と規模も築年数も違うなどマンションといってもいろいろな形態があります。
これら様々であるマンションも管理が一様に同じであるはずはありません。

教科書的な耳障りの良いマンション管理というものは現実的ではなく、目指すのはそれぞれのマンションに合ったマンション管理の最適解にあります。
潤沢な資金があるマンションはその資金を活用して管理をめざしますが、残念ながら資金に余裕がないマンションは資金計画を策定して充当できる資金を有効に活用することを重きを置くことななります。

このバランスをとる作業が管理の最適解で、中からはなかなか見えることではなく、外から第三者的な視点が必要になることでしょう。
そんなお手伝いができるマンション管理士としてご用命ください。

2024年4月16日火曜日

岡山市マンション管理実態調査

 マンション長寿化施策

マンション管理の行方が都市計画を左右させることは容易に想像できる。
マンション化率が30%を超える東京都心であれば、マンション施策は都市計画に直結する。

都心に限らず、中核都市、政令指定都市、自らマンション施策を発信している地方都市も少なくない。大なり小なり国の施策に倣い横並びの感が否めないが、もはやマンションを抜きにしては都市計画は語れない。マンション施策の底上げが急務であることには変わりない。
また、高経年化するマンションを管理不全にさせない。高経年マンションの長寿化施策のためにと直接、間接に介入するのも行政に仕事であろうかと思う。


岡山市マンション管理実態調査

2022年4月管理適正化法改正にて行政が必要に応じて管理不全予備軍のマンション管理組合に指導、助言、勧告等をおこなうことができるとしている。実際には、長寿化を促すための高経年マンションの管理実態を把握していても、実務的な改善案に促すことができるほどマンパワーが揃っているとは思えない。また横連携も希薄だ。
そもそもマンション管理組合を対象とした実態調査自体の資料があるのか、ないのかが分からないという問題がある。行政が市内マンションの管理状況をどこまで把握しているのか、把握していないのか、把握していても手が出せないのか、問題が表面化していない認識で蓋をしているのか。答えがわからないことが問題だと思っている。

岡山市が公表しているマンション関係に実態調査資料といえば、2012年岡山市が岡山大学に委託したレポートがあるのみ。もう12年も前のことだ。

  ・2012年岡山市におけるマンション管理の実態調査結果報告

これ以降、岡山市内のマンション管理組合の管理内容関する統計資料は公表されていない。
いや、正確には持っていても公表はしていない。

 ・2021年岡山市分譲マンション管理実態調査

そして、2012年の実態調査資料、2021年の実態調査のに関する内容の記述は、
最近市のHPから消えた。偶然だろうか。


公表してからが始まり
-自分のマンションを知る-

マンションの実態調査の結果を公表することで、自分のマンションの立ち位置を知ることが出来る。管理組合にとってこの情報は非常にインパクトがある。自分のマンションを比較して知ることで管理意識向上のインセンティブを与えるきっかけになり得る。これを機に関係団体との横連携を促すきっかけにもなるかもしれない。公表することで官民がマンション管理を語る土俵が出きるかもしれない。公表の意義は大きい。

岡山市内マンション化率は北区では14%ほどある。この地域だけ突出している。中心地のコンパクトシティ化は街をマンション化を促す施策でもある。
高経年マンションの長寿化を促すためにも、管理不全マンションをださせないためにも、岡山市のマンション管理実態調査を早急に行い、公表し、マンション施策について語られるように土俵を作ってもらいたいものだ。


実態調査を行うにあたり岡山県マンション管理士会もそのお手伝いができるものと思う。
部分委託など調査、分析の一端を担う団体として行政との連絡を密にとりたいと思う。

2024年4月14日日曜日

2023年度マンション総合調査

 R5年度国交省マンション総合調査はじまる

前回2018年度マンション総合調査から5年。5年に一回にあたる2023年10月から2023年度マンション総合調査が始まっている。
サンプル数の増減は定かではないが、毎回総合調査の後、その分析を受けて何某らの管理ガイドラインが改定されるのが常である。今回の調査結果により、また修繕積立金ガイドラインが変更になることだって想定される。700万ストックを数え、高経年化と高齢化が進むマンションが際立ってくる調査になるのではないだろうか。


2018年度総合調査のもたらしたものは

2018年以前のマンション総合調査では築30年未満の長計30年資料をベースに維持修繕費用から修繕積立金の平均額を求めた。これを築年数に限らず全てのマンションの適合させ修繕積立金の平均額を示した。しかし築30年以上のマンション(少なくとも大規模修繕工事を2回以上実施しているマンション)の修繕積立金の額はその平均額よりはるかに上回っていることの事実は公には問題視されなかった経緯がある。

2018年度のマンション総合調査では前回の調査を改め、サンプル数を大幅に増やし、築年数の幅を大きくし、築30年を超えるマンションもカウントし、築年数の幅を広くサンプリングした初めてのマンション総合調査となった。
その結果、当然ながら築古マンションの修繕費用の加算、タワーマンションの増加による維持費加算などあいまって、修繕積立金の平均額は大幅に高い額を示した。

修繕積立金ガイドラインに反映

2018年度マンション総合調査を受けて後に修繕積立金ガイドラインが改められた。
延べ床面積5000㎡未満のマンションで修繕積立金平均額が218円/㎡だったものが、335円/㎡と大きく値を上げた。
この公表を受け、マスコミ中心に管理危機を煽る悲観的な報道に管理組合は翻弄され、現在に至っている。
もっともこの335円/㎡は平均であり中央値ではない、国交省はその統計から下限値と上限値お定めた。

 ・235円~430円/㎡(機械式駐車場無しの場合) 延床面積5000㎡の例

これを機に従来の修繕積立金額の2倍、あるいは3倍と値上げを迫られた管理組合はよく見る。もっとも今までが安すぎたという面もあるが、それが日常であっていきなり非現実的な金額を値上げすると言ったら誰でも感情的にならざるを得ないのはよくわかる。未だにこのガイドラインに揺れる管理組合は多い。

何も平均値を目指さなくても下限値あたり200円/㎡ぐらいまで値上げを考えて欲しいということはよく言ってる。値上げの機を逃すと年を追うごとに更に値上げ率は高くなってしまう。5年、10年値上げせず外っておくと、もう下限値辺りの積立金額さえも値上げすることは難しくなる。管理組合もそこのところは良く知っておかなければいけない。いつか、誰かがこの直面した問題に答え出すことになる。

2024年4月3日水曜日

2023年度のあれこれ

 岡山市初の認定マンション


2023年7月12日 岡山市南区両備グレースマンション妹尾駅前・伍番館が岡山市初の管理計画認定制度に認定された。
適正化診断サービスをきっかけに認定を取得するお手伝いをさせていただいた。取得にあたり長計の修正、規約改正、必要書類の準備と確認を行いマンション管理センターに申請。審査官から一部補正指示を受けながらも7月12日に無事岡山市から認定するまでに至った。
中国地方初の認定マンションとなり新聞にも掲載。

理事会はじめ管理会社様の熱心な後押しがあったからこそ成し遂げられたものと感謝している。
併せて岡山市住宅課には、いち早く認定制度の制度構築と広報に努められたことが関係者の背中を押したとも言える。
2023年度からは倉敷市も認定制度を設けることとなり今後の動向に注目しているが未だオファーの話はない。

倉敷市マンション管理セミナー

令和5年度倉敷市主催「マンション管理セミナー&個別相談会」をウウィズアップくらしきにて開催。
セミナー講師として管理士会を代表して講演させていただいた。

講演テーマは
1.役員のなり手不足の対応 役員の資格要件緩和
2.修繕積立金の目安 長計資料から計算してみよう
3.火災保険の知識 付保割合と個人賠償責任保険

通常の講演時間を見直し、時間内に個別相談会を併せて行うことし4組ほどの相談を行うことができた。
座学半分、相談会半分とした時間構成はよかったのではないか。

岡山市マンション管理士派遣制度

2023年度岡山市マンション管理士派遣制度を利用した件数は8件。昨年が12件の実績なので少し減少した。毎年10件程度を見込んでいるので管理士会側からも広報に努めたい。

自主管理からの相談、第三者管理の是非など管理組合運営上の問題などが目立つ。規約改定、長計の修正など理事会と組合員の合意形成にむけての相談など。

管理会社を対立軸におく時代はもうサヨナラしなくてはならない。
やがて管理会社に頼ることなく、熟したマンションは自主管理、老年期は第三者管理という管理形態を変えながら変わっていく管理組合もありだと思う。

マンションの若年期、壮年期、熟年期、老年期と自分のマンションの時代背景を背負いながら管理形態を変えていく時代もあるだろう。
倉敷市もR6年度からは管理士派遣制度を考えているとのことで注目される。







2024年4月2日火曜日

岡山市マンション管理無料相談会

相談件数の増加

岡山県マンション管理士会が岡山市役所等で行う無料相談会は2019年度から始めている。
2019年度の相談件数はわずか13件と1件/月のペースで推移していたに過ぎない。
コロナ禍であった年も相談会の中止もあり件数は伸び悩んでいた。

2022年度、コロナが日常生活として受け入れ、落ち着きをみせた時点から相談件数は増加し、前年度倍増の28件を数えた。この年から岡山市も管理計画認定制度を導入するに至り管理組合からは「認定」の問い合わせもあり管理組合による関心度も上がってきたと言える。またこの年から管理会社の管理費値上げ、契約更新の拒否などが目立ってきた頃でもある。

2023年度はこれらの相談に加え、組合員の個人相談ではなく、理事長をはじめとする役員からの相談が多くなってきている。相談主体が管理組合の執行機関である役員に移行していきていることに注目したい。
2023年度では前年の28件から61件と倍増以上の伸びを示した。5件/月というペースに対応するために担当者の増員を図るまでになった。2019年度の1件/月から想えば隔世の感がある。
組合員の個人的な相談から役員を中心とした管理組合運営上の相談に移行しつつあることを実感している。ここにきて管理士会というものが広く認識されるようになったことと併せて本来管理士がその職務として対応するに相応しい環境が育ってきたことの結果だと感じる。



統計をとる

相談件数の数字を見ただけでは相談会の主旨を語ることはできない。
相談内容にどのような属性があるか統計をとることにした。2023年6月からGoogle Formを利用して相談者と相談内容の属性を調べることになった。
相談者側の個人情報、マンション名、管理会社名は記録しないことは大前提であることは言うまでもない。
記録内容は、
1.相談者の属性
 ・役員(理事長、理事、監事)
 ・組合員
2.マンションの属性
 ・築年数
 ・世帯数
 ・機械式駐車場の有無
3.相談内容の属性(大分類)
 ・管理組合
 ・財産管理
 ・計画修繕
 ・居住者間
4.相談内容詳細項目(小分類)
 ・管理組合の詳細相談項目
 ・財産管理の詳細相談項目
 ・計画修繕の詳細相談項目  

5.相談内容(記述式)

 6.回答内容(記述式) 

 などとした。

サンプル数は2023年度は約60件のサンプルをとることができた。
まだサンプル数の分母が少ないので評価するまでに至っていないが、相談内容の動向を知ることはできる。岡山市内の管理組合が抱える昨今の悩みの傾向を知ることで岡山市のマンション事情を少しでも語ることができるのではないだろうか。
岡山県マンション管理士会はHP上でこれらを公表している。


相談内容と回答内容を記録する(記述式)

相談内容を記録する際、管理組合側からの相談内容と併せて、管理士会員側が回答する内容も記録している。あえて記述式の回答とこだわったのは、管理士会員側のスキルの向上を図った面と回答内容を管理士会員で共有する意図がある。

相談内容をどこまで聞き取り、どのような切り口で解答したかを可視化させることにより、曖昧さを排除して回答内容の標準化を図ることとしている。士業に携わる人は個人間の知見の差が大きいゆえ、解答内容も個人間で濃淡が出やすい。これでは相談者にとって当たりはずれの不信感を招く恐れがある。相談相手によって回答が異なるようであってはならない。このようなことを防ぐため、管理士会としての回答スキルの標準化が求められる。

相談内容の事例を知る、事例に合わせた回答内容を知る。これらを可視化することで互いの知見を深めることを意図している。どのような相談事例があり、どのような回答したかを一覧で見ることが出来るようにしている。この記述式の相談と回答は一般には公表せず、管理士会員のみで共有している。






2023年4月28日金曜日

マンション居住者交流会 岡山市

 マンションに暮らす・管理する悩み


 マンションに暮らしてからはじめてわかる生活上の悩み、管理組合役員としてはじめて経験する管理上の悩み事というのはどこのマンションでも濃淡の違いはあろうが誰も経験するものです。「こんなはずではなかった」を「解決策をないものか」と模索する経験を持つ方は少なくない。マンションで暮らし、生活する上でのトラブル(相隣騒音、ペット飼育、ゴミ出し等)は基本、規約・細則に定める以外の諸々マナーに起因する住民間のトラブルは管理委託契約外であるので管理会社はノータッチ。そのような問題は住民間で解決する事を前提としている。

しかしこの住民間トラブルを受けて、管理組合が自身の問題として解決に向けての受け皿と仕組みを持ち合わしているかといえば、ほとんど持ち合わしていなどころか、目をそらしてきたのが実情ではないだろうか。

マンション管理とは広義的には包括的に生活者の基本的な暮らしを守ることも意味するのに対し、狭義的にはマンションの共用部、管理組合含めた管理の適正化に限定しており、生活者間のトラブルには関与することを避けてきた。つまり住民間の殆どのトラブルに管理組合、理事会としては相談、解決するための受け皿として機能していない実情を受けて、「管理組合、理事会が何もしてくれない」と嘆き、当事者がマンション管理士会の相談会に訴える事例の多さは数えることができない。

役員となり管理会社との折衝、運営上の悩みも多く、合意形成に費やす労苦は並大抵ではないだろう。不信、不明を解決する策どころか、相談する先も知ることもなく悶々とする毎日だろう。問題はこのような悩みを役員に相談もしたところで、誰も経験による知見がないことから助言、指導することもできないし、限られたマンパワーの中では無理というものであろう。問題を抱える当事者にとっては、管理組合、理事会が主体となり相談して問題解決できる仕組みがないことを嘆くジレンマと諦めが根底にあるのではないだろうか。

隣のマンションの問題解決事例を知る


 岡山市の「マンション居住者交流会」とは、岡山市内の各マンションに住む有志が集まり、このような管理上、生活上の悩み、意見などを持ち出して参加者で議論して解決を導くための場である、マンション居住者どおしの横のネットワークを構築することにある。

有志と言えども管理に初心者なので規約、長計などの知識はあまりなく、感情的に訴えることしか初めはできない側面もあり、一部ガス抜き感の場に変わっていしまう危険もあるが、この場のルールを規定して建設的な議論にもっていこうとする行政担当、座長の姿が見られる。会を重ねる毎に、会としての色を出し建設的な議論に発展することだろう。

コミュニティの定義の一つに「地域問題解決型」が挙げられる。問題解決を意図とし、相談ができるマンションコミュニティ団体までに成長していくことに期待している。
本来、ンションの横のネットワーク作りは既存のNPOなどが積極的に関与する分野でもあるが、あまり期待以上に機能せず、岡山市行政担当が形を変えてネットーワーク構築の手助けにのりだしたいうことになるだろう。
今後、この交流会が盛り上がり見せて、市民活動の域にまでも活動を広げていく事を期待している。


2023年1月27日金曜日

認定制度と評価制度

 マンション管理の標準化


認定制度

 国交省がマンション管理の認定制度の施行を2022年度から始まったたことはひとつの大きなきっかけになったことは間違いない。自治体がマンション管理の優れた管理組合を認定するとした背景には、ひたひたと迫る管理不全に陥る膨大なマンションストックの影に待ったなしの懸念を表したものと理解している。自治体が各マンションの優越を判定したところろで、市場価値にそのまま反映されることは期待できないが、少なくともマンションを買う側、売る側に管理水準のお墨付きが与えられたマンションが公表され、一定の指標を示しマンション選択の判断の資するところを提供することではないかと思う。しかしながら認定、すなわち〇か×かの判断でしかない。そもそも管理に〇か×かの判定というのも不思議な基準で、管理水準のレベルを示すことなく合格か不合格を示すものに違和感を持つのも当然と言える。では、なぜ国はあえて評価レベルを示すのではなく、認定にこだわったのはなぜだろうか。

管理の骨太を示す認定制度

 国、あるいは自治体としては、管理の仕様は一様でなくとも、管理組合の運営規範、維持修繕計画と計画に見合う財政力。この3点に絞り一定の水準さえクリアさえすれば、後は多種多様の管理仕様に踏み込むことはしないと示したものと理解している。規範である管理規約と修繕計画である長計、そしてお金である修繕積立金の状況がマンション管理の根幹として一定の線をひいたことによる。この線を管理レベルの上の標準ラインとし、上回っているマンションは合格となり、下回っていれば不合格としている。国、自治体では管理標準を示すものということになる。認定状況は現時点全国で17件が登録されているに過ぎない。この登録数の低さは認定制度のインセンティブが働かない以上に管理組合が申請から認定まで至る手続きの複雑さと負担が考えられる。膨大な資料を電子化するなどの作業を管理組合に投げるなど負担が大きく、管理会社も容易に引き受けることを躊躇するのではないだろうか。

なお、販売中マンションで、まだ管理組合が存在しないマンションには別途「予備認定」という制度を有しており、こちらは全国で500件余りの登録、岡山県下では2件登録を受けている。こちらの予備認定ではデベ、管理会社連名で申請しできるので主に販促ツールの意味合いが強い。顧客への訴求効果としては、他に住宅ローンの優遇ということも予備認定登録を後押ししているようだ。


評価制度

 合格か不合格の認定ではなく、管理水準の等級レベルを示す評価制度を採用している評価制度は2015年から始まっている。マンション管理適正化の法を受け、日本マンション管理士会連合会が行う「マンション管理適正化診断サービス」が先行している。管理規範、修繕計画と見合う資金、加えてライフラインである給排水システムのメンテ状況、消防法に係る点検結果など法点検の遂行と処置、必要書類の保存など多岐にわたり、S、A、Bと3段階の評価を示している、インセンティブとして高評価であれば火災保険料の引下げなどの優遇があり、全国で累計1万5千件の申し込みを受け、岡山県下でも累計50件程度のマンションがこの評価制度を利用しいてる。


 マンション管理業協会が認定制度の施行に合わせて、2022年から始めている「マンション管理適正評価制度」がある。既に今年度で約100件を超える登録を達成させている。管理会社の担当するマンションを管理業協会が6段階に分けて評価するというもので、制度的には最も新しいものとなっており、審査も60項目と多岐にわたる。しかしながら管理会社が主体とならざるを得ない実情もあり、評価取得の姿勢は管理会社のその熱度いかんによらざるを得ない。岡山県下でいえば現在3件(岡山市、倉敷市2件)のマンションが登録されているが、管理会社はすべて日本ハウジングであることに注目したい。中四国大手の穴吹系は岡山、四国では登録にまで至っていないことを考えれば管理会社の熱度に大きく左右されるものと考えられる。
どちらの評価制度もマンション管理をレべル評価し、不動産流通サイトへ評価レベルの公表も可能とし、市場への管理状況を示すものとしている。

管理の標準化

 自治体の認定制度、民間の評価制度などマンション周辺では管理評価と透明化がにわかに話題にあがっている。この評価が俗に呼ばれる「資産価値」に連動することは甚だ疑問であるし、そのような期待を願うものではないが、管理状況の透明化を示すマンションが優良マンションの土俵にあがる資格を得ていくことには変わりはないと言えるのではないだろうか。これら管理評価し公表する姿勢が近々管理の標準化として根付いてくれればと思う。

2022年11月21日月曜日

資産価値、資産価値というけれど

あなたのマンションの「資産価値」って



  昨今のマンション管理業界周辺ではマンションの評価制度を語る人がずいぶん増えてきていると感じる。国交省も自治体もマンションの将来を案じ、管理不全を予防する施策に余念がない。本年4月から始まった自治体と管理業界が推すマンションの評価制度の導入となったのはその施策の表れだろう。従前では、マンション管理の質的向上の指針となるものさしが甚だ曖昧であり、広く社会的に広まるところまで至らなかったという思いだ。「マンションは管理を買え」と言われ、世間に響いて耳を傾けるまでになったのはつい最近のような気がする。


 いわゆるマンションを資産運用の蓄財の材料として見なし、その不動産価値を「資産価値」として置き換えてきたもので、投資材料の道具として見てきた感がある。その資産価値を決めるのは、マンションのブランドであり、規模と豪華さであり、充実した共用施設であり、利便性の高い都心駅近であり、流通性でもある。高額であればあるほど、それに見合う価値として購入者に刷り込まれていったのだろう。マンションに住むということよりもマンションを購入することに意味があったのかもしれない。マンションの価値とは適正な管理を推す価値ではなく、投資材料的な文字とおり金の成る材料として「資産価値」に重きを置いたものであったろうと思う。所有して賃貸で貸して値上げを待って売却する。

 しかしマンションに住む人々が全てこの「資産価値」に一喜一憂しているとはとても思えない。不動産仲介サイトで自分のマンションの売却相場を知ったところで、売却してどこかで暮らすあてもない人が大方であろう。統計的には今の住むマンションを終の棲家としてとらえている方の割合は年々増え続けている。特に高齢者にとっては今のマンションの売却相場を知ったところで、痛くも痒くもないはずだ。不動産としての資産価値云々とは程遠いところにいると言っていい。このような方々が管理組合員の総勢を占めているマンションであれば、資産価値と声高に騒いでいても響いてこないだろう。
 資産価値を高めるためにマションの財政を健全な水準に引き上げようと修繕積立金の値上げを提案したところで、得体の知れない「資産価値」を享受する期間とそのために値上げする修繕積立金を天秤に測ればおのずと答えは分かろうというものだ。資産価値を高めるために暮らしているのではなく、日々の平穏の暮らしに重きを置き、貯蓄を切り崩して目先の生活を営む高齢者にとっては、マンションの資産価値よりもご自分の資産価値のほうがよっぽど切実な問題である。


 このような平均的なマンションの住民の声はある意味サイレントマジョリティの声でもある。昨今のマンションの「資産価値」を唱える声にかき消されつつあるが、根付いている声でもあるはずだ。マンション管理関係者は、マンションを管理不全から救うために「資産価値」を高める話とその必要性をを唱えるが、その責任を管理組合に負わせるだけの話が多すぎるのではないだろうか。
何も「資産価値」だけでそのマンションの評価が左右されなくてもいいはずだ。
マンションの評価を「資産価値」一辺倒だけではなく違う視点から評価する基準もあってもいいと思う。

2022年9月29日木曜日

区分所有法の限界

 時代に合わない区分所有法

区分所有法

 区分所有法が施行されて約60年、この間に多少の改正があったとしても基本的に変わることはない。
今から約60年前に現在のマンションの様々な問題を想定しているとは思えず、この法律が今般の問題を引きずっていると感じることも少なくない。

この区分所有法ができた頃に建てられたマンションの現在の立ち位置はどのようなものだろうか。区分所有法によって守られた区分所有者の権利と引き換えに、区分所有法で縛られる自由もある。それはマンションの高経年化に伴う区分所有者の身の振り方であり、物理的なマンションの終わらせ方を示していないところである。

区分所有の終わらせ方

 高経年マンションであり賃貸化が進み、管理組合も名ばかりで管理会社も手をひくような管理不全のマンションがこれから先増えることは容易に想定できる。売ることもできないマンションを抱えた区分所有者に対して管理を怠ったことへの自業自得と冷ややかな目を向けることは簡単だが、過程はどうであれ、結果として区分所有法は、社会資本であるマンションをスラム化を防ぐ縛りは設けても、合法的に区分所有権から離脱するというすべは何も示していない。区分所有がマンションを終わらせようにもその終わらせ方を区分所有法は何も示していない。

区分所有法ではいったん所有したマンションでは売買や譲渡による権利移転以外、その放棄は認められず、区分所有が亡くなるまでそのマンションを引きずることになる。

つまりこの法律によって、守られる権利もあれば、権利を意図的に放棄する自由もないことがジレンマとしてある。マンションという負の遺産から逃れるには売買により区分所有者から逃れること以外になく、マンションを放棄したい、区分所有権を放棄したいと考える区分所有者に応える法的なよろどころがないに等しく、今後マンション維持に要する資金もなく、また、管理不全のマンション売却することもできなくなって身動きができない区分所有者難民を生むことになる。

マンション建替えの幻想

 昨今マンション管理に関わるニュースが紙面をにぎわすことも多くなった。特に高経年化に伴う区分所有者の高齢化とマンション維持コスト高騰によるマンション管理の悲哀の話題である。この先、管理をなす人がいなくなり、管理する原資がなく、管理能力のない無関心な区分所有者、あるいは認識はしつつも何も打つ手がなく、動くことができない区分所有者達によって、マンションの将来は確実にスラム化の道をたどることになる。全国の観光地に廃墟化したホテルが散見されるが、この光景が今住んでいる街に将来見ることもあり得ることだろう。

高経年化のマンションの未来図を描く時にいつも話にあがるのはマンションを建て替えるという選択である。しかし「マンション建替え円滑法」もその合意形成の要件を緩和していくことになっても、建替えするという選択ができるマンションは果たしてどれくらい存在するだろうか。利便性があり、かつ容積率を緩和でき、デベロッパーも参加できるような立地条件、今後予想される高価値が認められ、なおかつ建替え費用を超える価値を見出すことができるマンションは都心でもごく稀である。一般的な郊外に並ぶマンションなどは殆ど建替えることはできないと言ってもいい。安易に建替えを検討する管理組合もあるが、聞けばほとんどが希望と理想を語っているにすぎない状況だ。

 岡山市内の小規模マンション(20戸程度)の再調達金額は約4億円として、1戸当たり2000万円をだして再建しようと賛同する区分所有者がいるとは到底思えないのである。

2022年7月23日土曜日

自主管理について

 小規模マンションの管理


管理会社の撤退

 最近よく見聞きするのが管理会社による管理組合の撤退。管理会社の更新が当たり前のようであった時代からは考えられないような状況が広がりつつある。
住友不動産建物サービス(建サ)が2年ほど前から、今後不採算が見込まれる管理組合、諸事情に問題を抱えた管理組合などの将来リスクを避けるためマンション戸数規模に関わらず契約を更新しないと発表した。この動きに各管理会社からは「よくぞ言ってくれました。」と同調気配。主従の逆転となるこの流れは一気に業界を駆け巡り、管理組合のお客様意識を変えるよい機会になったといえる。
管理会社の多くは淘汰されつつ、適正化法の縛りによりサービスの標準化がなされつつあるが、管理組合には法と契約による管理意識と組合認識が乏しい故、管理会社に主張と批判を繰り返しお客様意識によるクレーマー集団となっていることも多々あると言っていい。

 どこの管理組合でもそうだが、しっかりと運営なされている管理組合は管理会社がどこであろうと関係がない。管理会社によって管理組合が弱くなることはない。管理組合と管理会社は緊張感と距離感をもちながらのパートナーでしか過ぎず、管理主体は管理組合にあるもののそこに上下の関係はない。管理組合さえしっかりしていれば、管理会社に左右されることはないし、管理会社の責任云々の話しはでてこない。理事長が「管理会社がぁ」と声高に叫ぶ様を見る度にやれやれと思うのは私だけではないはずだ。管理会社の非を責める熱量がある分その熱量を管理区組合の建設的な是正に向ければどれだけ助かるかと思うことしばしある。

小規模マンションの場合

 ある事情により管理会社から管理打ち切りを宣告された管理組合のその後の管理形態をみると、大方自主管理へと移行するようだ。というか自主管理しか道はないというのが正直なところ。今まで良かれ悪しかれ管理会社に頼ってきたものが突然自分たちで管理を行わなければならなくなった時、各組合員の負担は想像を超えることに気が付くはずだ。出納は誰がどのような方法で行うか、会計は誰が責任をもって行うのかなど運営の基幹に係る諸事に試行錯誤で名ばかりの管理で責任をないがしろにされ、管理体制と内容はやがて惰性と曖昧さ生み、独善から横暴がはびこり、長年居座り続ける理事長はやがて癒着と横領に至るのが一般的だ。
ただし自主管理の形態も昔とその様は変化している。今では自主管理をサポートする管理会社のサービスも存在する。

自主管理サポートに特化

 1つは、自主管理で最も悩ましい出納・会計業務のみをサービスする管理会社も存在する。フロントは存在しないし管理組合運営にタッチしないので料金は大幅に安くなる。このサービスを起ち上げてる管理会社も大手で限られているものの自主管理で人手も乏しい小規模なマンションとしてはありがたい存在ななることだろう。

2つめは、自主管理に特化したアプリを管理組合に導入し、このアプリ上で出納・会計管理を行うもの。管理会社から購入したアプリを組合員が3カ月程度導入、操作方法の講習を受けた後はスマホで承認から支払い、決済まで行う。スマホの基本操作が必須だが、管理内容の透明性は群を抜いているので、今後このような方法が普及するように思える。現在三菱地所の「KURASEL」が先行しているが、あなぶきハウジングの「SMUSIA」も関東圏でサービスを行うことが発表された。今後、各管理会社も自主管理の管理組合を取り囲むため、アプリ開発を進めて普及を図るとみられる。

このような自主管理支援アプリの導入することにより、出納・会計業務から解放され、組合運営に注力することができる点は大きく、昔のような自主管理という負のイメージを払拭することになるかもしれない。

2022年6月17日金曜日

受益者負担

 機械式駐車場と受益者負担




修繕積立金に計上するだけでは不十分

 機械式駐車場の駐車料金代を管理費に全額計上している管理組合はまだ多く、修繕積立金の積立不足の大きな要因を占めている。その反省から駐車場代を機械式駐車場の管理に充てる他、その残りを修繕積立金に充てる管理組合もふえてきたようにも見える。

 ある管理組合は昨年度まで全額管理費に計上していたものを今期から振り分けて修繕積立金に充てる決議をした。遅まきながら修繕積立金を増やす方向に舵をきったその判断は正解だったと思う。しかしよく話を聞くと、単に修繕積立金に振り替えただけで帳簿上、一般の修繕積立金と機械式駐車場積立金との区分をせず、駐車場代がそのまま一般の修繕積立金の費目に計上していいることが分かった。したがって駐車場料金をいくら積み立てているかということが帳簿上で確認できない状況であった。

機械式式駐車場積立金

 機械式駐車場積立金の費目を設けるという事は、この積立金で機械式駐車場の修理代を補うという意味であり、この限りある積立金で機械式駐車場の補修メンテの面倒を見ていこうとするものだ。この積立金の残高、支出の動向と稼働率を掛けて、将来に向けて機械式駐車場の維持の可否の限界点を知ることができるが、その分岐点まで維持するのであれば、その維持費は駐車場代で徴収した機械式駐車場積立金でまかなうという性質なものである。
言い方を変えれば、機械式駐車場を利用している人達で機械式駐車場の維持をしていくということであり、駐車場を利用していない人は負担しないというのが原則である。
機械式駐車場は、法定共用部でも規約共用部でもなく、建物の付属物である。この付属物(施設)の利用は利用料を支払う事で管理されているので、区分所有者が一律に負担を強いる性質のものではなく、あくまでも利用者(受益者)が負担する性質のものである。

もっとも平置き駐車場と機械式駐車場を併用している管理組合の場合、機械式駐車場の利用を抽選と輪番とかで機械式駐車場を選択せざる得ない状況下と思われるので、平置き、機械式の利用者を問わず、機械式駐車場の維持の負担を分かち合うことになる。

受益者負担

 この機械式駐車場を一般的な修繕積立金にそのまま計上するということは、その修繕積立金から機械式駐車場を修理するという認識の上にたっている。
しかし駐車場を利用をしない区分所有者の立場からみるとこれは甚だ問題だと言わざるを得ない。
機械式駐車場の利便性に疑義を感じ利用することなく、その稼働率がやがて低くなっていくことは容易に想像できる。中心市街地なら車そのものを利用する必要性もなくなり、高齢化とともに車離れが加速していくことになる。その中で駐車場を利用せず、駐車場代を支払わない区分所有者もあるだろう。彼らが積立てた修繕積立金が利用しない機械式駐車場の修理のために多額な修理代に使われたとしたらどう思うだろうか。本来建物の修繕のために積立てられていると思っているのに、そのお金が機械式駐車場の修理に充てられては話が違うということになる。
これら徴収する専用使用料はどのような用途で使われるかを本来であれば規約で明文化しておく必要があるのは言うまでもない。この事は駐輪場で徴収する使用料と同じ意味を持つのかという議論になるが、前提条件(負担条件)が異なるので同等には考えられない。どちらも丁寧な説明が求められる。

駐車場を利用する人が積立てるのが機械式駐車場積立金であり、そのお金を費目別に修繕積立金と機械式駐車場積立金とに分けず、丸ごと修繕積立金に計上してしまうことにより受益者負担の原則が見えなくなってしまった例である。

2022年6月13日月曜日

機械式駐車場の会計

 増え続ける機械式駐車場のメンテ負担



増え続ける機械式駐車場

郊外で比較的敷地に余裕があるマンションでは、駐車場は全戸分平置きで用意されていることと思います。この光景に慣れている私はマンションというものは、おおよそ敷地内に平置きされているものが平均的なマンションの姿だと感じてました。しかし近年では、中心市街に限らず、郊外でも平置き+機械式駐車場という形態が浸透しつつあります。今では機械式駐車場を設置しなければマンションを建てることもできなくなっているようです。一般に商業地区で建設されるマンションの容積率上限で建設されたマンションでは、平置き駐車場は望むべくことなく、機械式駐車場が前提となってしまうのは当たり前になりつつあります。機械式駐車場もマンションの規模により、よりタワー化し複雑化していきます。

マンションを購入するとき、この機械式駐車場はある意味マンションの象徴のように映ったこともあることでしょう。だが、それはマンションを購入するまでの夢事のように映っていたことでしょう。誰も今後この機械式駐車場を維持するためのコスト負担で悩ますなど考えるべくもありません。

メンテナンスの基本は部品交換

 標準管理規約では駐車場などの専用使用料はその管理にかかる経費は管理費へ、残りは修繕積立金として計上することを謳ってます。平置き駐車の例をとれば、駐車場の管理といえば、白線とか輪留めとかが想定されますが通年予算化するほどの修理、補修も考えることはありません。しかし機械式駐車場であれば、メンテ代(基本料+油脂類/年)が想定されます。これらは予算化できる範囲なので管理費からおとすことを前提として予算化することはできます。しかし修理代金は部品単位でその人件費と併せて低額なものから高額なものまでとその差は大きく年間の予算額の設定することは非常に難しいのが現状です。メンテナンス業者の契約にもよりますが、経年劣化および可動部の劣化による対処は補修ではなく交換が前提となるため、例え小さな傷、ひびが入っていれば、安全面から補修ではなく交換を推奨していきますので、汎用的な部品ではないため部品代と人件費の対価はおおよそ高額になるのは必至です。これらは予算化できないので管理費から支払うことはできません。修繕積立金(機械式駐車場積立金)から支払います。

このことからメンテ代を管理費、修理代を積立金などの特別会計から支払うという前提ができていない管理組合では、今後機械式駐車場の修理費負担が管理費または修繕積立金を財政を逼迫させる要因になってしまいます。


機械式駐車場の会計

前述のとおり、駐車場の料金を一部管理にあてた後、残りを修繕積立金に振り替えた場合、今後は、この積立金から修理代を支払うという明確な意図が必要です。機械式駐車場の使用料支払ったお金は管理組合の修繕積立金(駐車場積立金)として積立られ、その支払いは機械式駐車場の修理、改修のためにしか支払うことができないという明確な意図がなければいけないということです。
また、修繕積立金に振り替えた後、帳簿上で一般の修繕積立金と機械式駐車場積立金とを別会計に費目を分けて設定することが望まれます、これを怠ると一般修繕積立金と機械式駐車場積立金がそれぞれいくら貯まっているかが判断できません。費目を分けて一般修繕積立金と機械式駐車場積立金がそれおそれいくら貯まっているか判別できるよう帳簿することが大切です。
また、駐車場専用使用料代金のうち全額を機械式駐車場の充てるのか、5対5の割合で一般修繕積立金と機械式駐車場積立金に振り分けるなどの操作を行い、一般修繕積立金も蓄えられるよう年度毎の状況で比率を変えればいいと思います。



2022年5月13日金曜日

がんばりすぎる理事長

 理事長さんもいろいろ


 マンションの規模も様々です。

100世帯を超える大規模なマンションもあれば、20世帯ぐらいの比較的小さなマンションなどさまざまです。

所有目的も永年住居型、投資型、リゾート型、ビジネス用1ルーム型などなど。

どんなマンションにも分譲である限り、専有部分を所有する区分所有者が複数人存在し、必然的に管理組合が存在します。そして、管理組合の執行機関として理事会も存在することになります。機能しいているかどうかは問わずとも、一応でも理事会は存在するわけで、理事長も存在しているはずです。

理事長さんの勘違い

 輪番制で理事長になった方は、何事もなく無事に任期を終えることを望んでいる方もいることでしょう。管理会社に丸投げしておいて、管理会社からまわってくる決済書類にハンコを押し、担当者のうんちくにうなずいていれば、理事長の職務を全うしたと持っている方もいることでしょう。ハンコを押すたびに、ご自身はさぞ理事長としてのステイタスを感じることが勘違いの始まりです。

勘違いする理事長は他にもいるようです。


MUST理事長

 「MUST理事長」とは、「~でなくてはならない。」「~するべきである。」と思い込みが激しい理事長さんです。

「住民間のルールは~でなくてはならない。」「そのルールを破った〇〇さんは~するべきである。」などなど。いろんな場面でこういう事柄に出くわします。

~しなくてはならない、あるいは、~するべきであるという観念に固着し、すべてが理事長の恣意的ともいえるMUST用語が羅列します。

他の意見を聞き入れる寛容さは失われ、自分の思い描いているイメージどおりでないと気分を悪くするようです。

制約を強い、恣意的な教条主義に走ってしまう大きな勘違い。

こういう方が理事長になると、自分の物差しから外れる事は我慢できないようです。

そして、自分が「正義」だと勘違いされていることです。やがて住民からうさんくさく思われ孤立化してしまいます。

でもこういう熱血漢の理事長がいるこらこそ救われることも多いのも事実です。

即断即決、思い込んだら一直線なので、何事も迅速で、躊躇がありません。

それは頼もしくもありますが、示唆に欠けて判断が危なっかしく思えます。


がんばりすぎる理事長

「自分は管理組合のために理事長として汗をかいてがんばっている。こんなにがんばている自分は一目置かれて当たり前であり、自分の意見は疑う余地は無いから皆は自分の言う通りにしなくてはならない。」非常に困ったチャンでメンドクサイ人なのです。

やたらと熱度が高く、声が大きい。がんばり感モリモリなのです。

 経験上ですが、このようながんばる理事長を観察してみると、

  ・定年退職して家でブラブラ

  ・ついつい攻撃相手を探してしまう

  ・サラリーマン時代は管理職

  ・マンションが会社に、住民が部下に見えてしまう

  ・俺が、俺がの自我の塊と熱度で押しまくる。

  ・自分の事はよく話すが、他人の話はほとんど聞いていない

理事長として熱度をあげることは非常に喜ばしいことですが、その熱度のはけ口がちょっと違います。やたらとがんばり感を出す理事長もちょっと勘違いしているようです。


理事長さんはがんばらくていい

〇「じゃぁ、誰がやるんですか?誰もやらないから自分がやってるんですよ」と息巻く。

「その熱心さは感服します。ただ管理組合の運営は事案の可否を決めるのは二の次です。」

〇「誰も決められないから自分が決めるしかないでしょう。他の理事は、理事会にも出席しないので決まるものも決まらない。」

「先ほども言いましたように、決めるのは二の次です。決めるまでの過程、手続きを大切にしましょう。皆で相談して決めたという過程を大事にしましょう。」

「その熱意を住民の方々とのコミュニケーションを図る方向に向けたらどうでしょうか。住民の同意を得られるように、時には腰を低くし、説明する時間と、根気よく意見を聞く姿勢も大切でしょう。」

「住民の皆さんを巻き込んで管理組合と理事会を活性することが一番の仕事だと思いますよ。」

〇「自分ががんばってるから、この管理組合が機能しているんですよ。他人に任せられません。」

「あなたは充分頑張りました。ご苦労さまです。今度はみんなが頑張れる場をつくるのが理事長さんのお勤めかなとも思います。もうあなた自身が頑張らなくてもいい環境をつくりましょう。」

あなたのマンションの管理費は

駐車場使用料はどこに計上している?



 管理費についての相談はよくあることです。
「うちの管理費は高いのか安いのか、そもそも適正な価格なのか、相場が知りたい。」という内容が最も多いと思います。

先ず管理費は原則、建物の維持管理、メンテナンスにかかる費用と,管理会社に支払う委託管理費(管理会社により費目名がちがいます)
メンテナンスにかかる費用には毎月、定期的にかかる施設点検、清掃(エレベーター、給排水施設、受水槽など)や消防設備点検などにかかる費用など定期点検、法定点検にかかる費用が含まれます。
この他にも清掃、植栽、そして共有部分の電気代などがあります。

維持管理にかかる費用では、小口の修繕費、消耗品(電灯、清掃用具など)、他には管理費収納に関わる事務手数料(振込、引き落とし)など。
これらの費目は年間通じて予想される金額なので予算化するのにあたり、ある程度の金額を予想することができます。いいかえれば、おたくのマンションは年間いくら維持管理費がかかるかという事がわかります。
この年間の維持管理費とは別に管理会社に支払う委託管理費の合計が管理費となります。


駐車場使用料を管理費に計上するワケ


 例えば、マンション1棟分(仮に50世帯)の管理費25/月のうち18万円が種々の維持管理、メンテナンスにかかる費用で残りの7万円が管理会社に支払う委託管理料とします。
そうすると1世帯あたりの管理費は5千円/月という金額が設定されます。実際には予備費を計上して少し上乗せして多少の繰り越しが出るように設定します。

しかし、マンション分譲時のデベロッパーは、お客の購買意欲をそそるため、この管理費をわざと安く設定するのが通常です。
その安くした分の穴埋めに使われるが駐車場使用料です。これが管理費のカラクリです。
例えば駐車場使用料は6千円/月と設定し、それを全額管理費に回すような会計処理を行うことで実質駐車場使用料だけで管理費を補うことがでます。
管理費を3千円/月に設定すれば2千円/月も安いということななります。この余ったお金は次期繰り越しとなりますが、長年このような会計処理を行うと管理費の繰り越しが必要以上に貯まることになります。

必要以上に貯まった管理費のもとで毎年管理会社からいろんな提案がなされるようであれば、それは管理費をもっと使いましょうと言っていることです。
そもそも管理費は通常の維持管理に用されるものなので、特別の用に使われるのであれば修繕積立金から引き落とされなければなりません。
管理費を使っての工事はせいぜい小規模な修繕や更新工事程度のものであり、あらたな施設を新設するような工事は修繕積立金から引き落とすべき性質ものです。

ある程度貯まった管理費を吐き出させるため、管理会社はなんらかの提案を持ち込み、施設工事やら更新工事に使おうとします。そうして駐車場使用料は管理費として喰われることになります。
国交省ではこの管理費と修繕積立金との計上する費目を細かく規定しています、ただ駐車場料金を管理費に計上していても違反とするような規定はありません。
マンション個々の実情を鑑みてのことでしょうが、駐車場使用料は修繕積立金に計上するのが望ましいというコメントを出しています。


駐車場使用料は貯めるもの


 本来管理費は貯めることが目的ではなく、貯める目的なものは、修繕繕積立金です。
したがって駐車場使用料は全額そのまま修繕積立金に積み立てていくことがマンションの資産価値を高めることに直結します。
駐車場使用料で管理費を穴埋めしていては、肝心な修繕積立金を貯めることができなくなります。今、修繕積立金が足らなくて修繕工事ができなき管理組合が非常に多くあります。
足らない理由の一つとして、駐車場使用料を管理費に計上していたということも一因となっていることもありましょう。早くからこのことに気づいて是正していればと思います。
大規模なマンションでは、そもそも駐車場を無料とするところもあります。

しかしながら小さなマンションで、管理費が危ういところは、あえて駐車場使用料を管理費に計上しているところもあります。修繕積立金の余裕もなく管理費にも困るマンションでは、しかたのないことかもしれません。


修繕積立金は駐車場使用料に含む


 修繕積立金の設定は、この駐車場使用料込みで考えていくことが大切です。
このマンションの場合、修繕積立金を1戸あたり4千円/月と設定すれば、駐車場使用料と合わせて1万円/月となり、マンションとして合計で年間600万円を貯めることができます。
1215年周期の大規模修繕時には7200万円~9000万円超を貯めることができます。
積み立てる金額は多ければその分支出に対してもいろんな選択ができます。お金がなければ何もできません。今はそんなに貯めなくてもいいと考えても、マンションにかかる費用は修繕工事だけではなく、機能的なリニューアル工事、セキュリティとバリアリーフのための機能向上を有する工事などに費やすことができます。

時代に必要とされるマンションの機能と形態に対応しなくては、やがてそのマンションは陳腐化していくでしょう。当然マンションの資産価値は下がります。ただ外観がきれいだけで、機能的に時代遅れのマンションに需要があるとは思いません。

そのための工事は大規模修繕工事とは別に考えなければならない工事でしょう。高経年マンションの場合、やがてくるだろう建替えの費用も選択肢に入ってきます。だからこそ、中長期的な視野にたっての資金づくりが必要になります。
これらの積立金額の計算は、個々の経済事情、建物劣化、人件費等で変動するものです。修繕計画は5年単位でその金額を見直す作業が必要になるでしょう。


管理会社も知っているカラクリ


 駐車場使用料を管理費に計上するカラクリは管理会社も周知のとおりです。
もっとも、知っていても会社に不利になるようなことをマンション住民の方々にあえて説明することはないでしょう。
  • 駐車場使用料で管理費を埋め合わせ、管理費が安いことを強調。
  • 様子を見て、他に比べて管理費が安い事を理由に管理費を値上げ提案。
  • 駐車場使用料が、管理費に喰われているので修繕積立金は貯まらない。
  • 様子見て、修繕積立金も値上げを提案。
このようなカラクリでマンション管理業界はまわっています。
 お宅のマンションの駐車場使用料が管理費に計上されているのか、修繕積立金に計上されているかを調べてみてはどうでしょうか。
 

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  マンション保険のことを知ろう 昨今マンション保険の値上げが止まらない。5年毎の更新さえ忘れがち。気が付けば保険の更新時期となり見積金額をきいて思考停止になる事も多々あると聞きます。 今回は保険料見直しについて。 個人賠償責任保険(個賠) そこで今回は2023年倉敷市マンション...