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2025年5月26日月曜日

区分所有法改正2025/3.団地の管理・再生の円滑化

 3.団地の管理・再生の円滑化を図る方策


団地関係に区分所有の規定を準用し、読み替える規定が表の形で整備された(新区分所有法6 6条)。 
6 8条規約の設定要件の変更(拡張的団地関係形成の要件の変更)
専有部分のある建物を団地管理対象物とする場合の各棟の決議要件にっいて、出席者多数決とした。

3-1.団地一括建替えの全体要件と各棟要件の緩和

Q3-1:
F団地は、5棟(1棟あたり10戸、1住戸1議決権)、全50戸の団地型 マンションである。
同団地では、団地一括建替え決議が行われ41戸の区分所有者、かつ、土地の共有持分の5分の4以上の賛成を得られた。
各棟の賛否の状況としては、うち4棟は9名の区分所有者が賛成している。
しかし、1棟については、5名が賛成し、3名が反対し、2名は棄権という状況であった。団地一括建替え決議は成立するか。

A3-1:
(現区分法)
•各棟要件は頭数及び議決権の各3 分の2 以上の賛成が必要
• 5 名の賛成なので、3分の2 (7名)以上の賛成の要件を満たさない。
団地一括建替え決議不成立

(新区分法)
•各棟要件は頭数及び議決権の各3 分の1 以上の反対がないこと(新区分所有法7 0 条1 項)
• 3名の反対であるので、3分の1(4名)以上の反対がない、という要件を満たす。
団地一括建替え決議成立

解説:
原則:区分所有者の頭数及び議決権(土地の持分割合)の各5分の4以上の賛成(新区分所有法7 0条1項)
例外:客観的な緩和事由があるすべての棟にある場合には各4分の3以上の賛成により成立(新区分所有法7 0条2項)
各棟要件
各棟の区分所有者の頭数及び議決権(共用部分の持分割合:規約で別段の定めがあればそれによる)の3分の2以上の賛成 
—新区分所有法70条1項ただし書:頭数及び議決権の3分の1以上の反対がないこと

団地内建物(特定建物)の建替えの際には、団地管理組合における建替え承認決議が必要(区分所有法6 9条)。決議要件は、議決権(土地の共有持分)の4分の3以上の賛成。
これまで実例はほどんどないが、今後マンションの高経年化•老朽化が進行していくことが見込まれることから、特定建物の建替えを行うニーズが高まると想定され、特定建物の建替えの円滑化の必要性がある。
一括建替え決議否決後に、一部の区分所有建物の区分所有者がその建物の建替えだけでも行いたいとするケースも想定される。
基本的多数決割合は、議決権の4分の3以上とすることを維持しつつ(新区分所有法6 9条1項)、特定建物に客観的な緩和事由がある場合には、3分の2に緩和(同条8項)。 
また、出席者多数決の対象にもする(同条1項)。

3-2.団地内建物•敷地の一括売却

Q3-2:
G団地は、立地や地価を踏まえると、一括建替えを実施することは難しいと判断し、団地全体の区分所有建物と敷地を一括で売却することを検討している。
区分所有法が改正された場合、団地内の建物と敷地を一括で売却することができるか。

Q3-2:
現行法では、団地内の建物と敷地を一括で売却するには、民法の共有のルールにしたがい(また区分所有権については個別の処分)、区分所有者全員の同意が必要となる。
特別団地関係における新たな再生の選択肢として、団地内建物の一括建替え決議と同様の決議要件により、団地内の全ての建物と敷地を一括して売却するという制度を導入(新区分所有法71条)。





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