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2022年4月8日金曜日

予防保全を考える


予防保全とは


 長期修繕計画の作成にあたり、大規模修繕の実施時期、給水ポンプ交換時期、エレベーターリニューアルなど修理、交換などのおおまかな時期を周期単位で項目を挙げている。
管理会社が組合に提示する長期修繕計画は、この周期を前提に交換時期や修理時期の説明しているのはご存じのとおりです。

 「この設備は何年も経過して劣化も激しいことでしょうから、何かあっては皆が困るので早め早めに交換しましょう。この予防保全を行うことでトータルコストを下げる事ができます。」

 唐突にこのように言われても合点がいかない。確かにそれなりの劣化は否めないが、故障しているわけではない。たとえ故障していても即交換とはならないだろう。交換する前に修理という視点はないのだろうか。
「修理を何度も行うことは結果としてコストがかさんでしまいます。修理しても古い部品は残りますからたえず故障リスクは残り続けることになります。」
本当か?


予防保全はコストがかかる?

  計画はあくまで計画であり、長期修繕計画にインターバルが15年とあれば何がなんでも15年で交換することもなかろう。15年の周期はあくまでも目安である。使用頻度も設備環境が違えば当然周期も異なるであろう。この周期の数字が一人歩きしている感も否めない。
しかしながらこの周期とて、根拠が全くないわけではないので、周期の数字は数字として承知しておく事も大事である。

点検の結果を根拠をもとに、周期は大幅に延ばす事ができる。
機械はあくまでも機械である。経年劣化は防ぐことができなくとも、経年劣化が故障に即結びつくというものでもあるまい。たとえ見栄えが悪くとも機能的に衰えがなく、効率的な仕事をしていてくれればまだまだ現役ということである。そのための判断材料として定期的な点検結果があるというものだ。

 しかしながら、この点検の結果をちらつかせて「給水ポンプにちょっと異音がでてますね。この際2台まとめて交換しましょう」などと提案してくる。たしかにポンプが故障したらライフラインは止まるのだが、人を恐怖に落とし込もうとする姿勢がミエミエなのだ。この恐怖心をあおる一言に、慣れない理事会はコロリとだまされてしまう。

 自分が理事の期間中に故障でもしてしまったら責任を問われるかも。なんて頭の中が不安でグルグル回ってしまう。
何も2台とも新品一緒に交換しなくとも、1台をオーバーホールして延命を図り、もう1台はしばらく稼働させたのちオーバーホールさせればよい。オーバーホールの先に2台の時期をずらして交換へともっていけばよい。

 そうして来たる交換時期を先延ばしにする事でランニングコストを下げる。
もっとも、オーバーホールが可能であり、交換とオーバーホールのコスト比較とそのランニングコストの検討は判断を仰ぐことになる。


貴方の車を例えるとしよう。

 新車で買って3年目。車検に訪れたディーラーの営業が、「今不具合がなくてもだいぶ走行距離があるので、買い替えをお勧めします。新車を3年ごとに買い替えれば故障の心配もなく、いつも新車の気分が味わえます、今ならいい値で引き取りますよ。」
大きなお世話である。
車なんて今時最低でも10年はしっかりと乗れる代物。3年ごとに新車を買い替えるコストと、車検で10年乗り続けたコストを比べるがよい。
ちなみに私ごとで恐縮だが、愛車ステップワゴンを初年度登録から20年乗り継いだものです。走って、曲がって、止まるのに何の不具合もありませんでした。機械とは従順であります。


点検あっての予防保全


 予防保全を全否定するわけではありません。外装タイルの浮きを見逃し、落下して人を傷つけたというのでは論外です。日頃パールハンマーを打っていれば事故は防げた事でしょう。こういう場合はちゃんと点検結果に基づいた予防保全が推奨されるべきです。
エレベーターのリニューアルも完全リニューアルを目指すのか、部分リニューアルにするのか。
最高セキュリティのシステムを推奨する会社と最低限のシステムを推奨する会社のどちらを選択するのか。原資に限りがあり優先度というものがある以上、どこかで妥協するにしても、小さな修理の積み重ねで稼働時間は大幅に伸びるということを知るべきでしょう。
物理的な故障をほとんど起こさないのがエレベーターです。
故障と言われるものの大半は制御系、つまり制御ソフトとブラックボックス化した制御基板です。
リニューアルを持ち込む理由として、安全装置に係る法改正による最新のシステムの導入、部品供給の廃止、在庫不足による修理、交換が不可となる懸念が理由として挙げられます。
単に20年の経過により判別されるものではなく、点検(無線遠隔ではなく)の結果をもとに判別し、そこから少しでも稼働を長くできるような工夫を考えるべきでしょう。
何が予防保全に相応しいのか。何が事後保全に相応しいのかを検討するのも一考です。

部品供給を例にとっても、ASSY交換しかできないものと、分解した部品単位で交換できるものがあります。ASSY単位の交換であれば本来調子のよい部品も交換させられてしまうことになります。どちらもトータルコストを下げるための判断材料をもっておくといい。

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