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2022年11月21日月曜日

資産価値、資産価値というけれど

あなたのマンションの「資産価値」って



  昨今のマンション管理業界周辺ではマンションの評価制度を語る人がずいぶん増えてきていると感じる。国交省も自治体もマンションの将来を案じ、管理不全を予防する施策に余念がない。本年4月から始まった自治体と管理業界が推すマンションの評価制度の導入となったのはその施策の表れだろう。従前では、マンション管理の質的向上の指針となるものさしが甚だ曖昧であり、広く社会的に広まるところまで至らなかったという思いだ。「マンションは管理を買え」と言われ、世間に響いて耳を傾けるまでになったのはつい最近のような気がする。


 いわゆるマンションを資産運用の蓄財の材料として見なし、その不動産価値を「資産価値」として置き換えてきたもので、投資材料の道具として見てきた感がある。その資産価値を決めるのは、マンションのブランドであり、規模と豪華さであり、充実した共用施設であり、利便性の高い都心駅近であり、流通性でもある。高額であればあるほど、それに見合う価値として購入者に刷り込まれていったのだろう。マンションに住むということよりもマンションを購入することに意味があったのかもしれない。マンションの価値とは適正な管理を推す価値ではなく、投資材料的な文字とおり金の成る材料として「資産価値」に重きを置いたものであったろうと思う。所有して賃貸で貸して値上げを待って売却する。

 しかしマンションに住む人々が全てこの「資産価値」に一喜一憂しているとはとても思えない。不動産仲介サイトで自分のマンションの売却相場を知ったところで、売却してどこかで暮らすあてもない人が大方であろう。統計的には今の住むマンションを終の棲家としてとらえている方の割合は年々増え続けている。特に高齢者にとっては今のマンションの売却相場を知ったところで、痛くも痒くもないはずだ。不動産としての資産価値云々とは程遠いところにいると言っていい。このような方々が管理組合員の総勢を占めているマンションであれば、資産価値と声高に騒いでいても響いてこないだろう。
 資産価値を高めるためにマションの財政を健全な水準に引き上げようと修繕積立金の値上げを提案したところで、得体の知れない「資産価値」を享受する期間とそのために値上げする修繕積立金を天秤に測ればおのずと答えは分かろうというものだ。資産価値を高めるために暮らしているのではなく、日々の平穏の暮らしに重きを置き、貯蓄を切り崩して目先の生活を営む高齢者にとっては、マンションの資産価値よりもご自分の資産価値のほうがよっぽど切実な問題である。


 このような平均的なマンションの住民の声はある意味サイレントマジョリティの声でもある。昨今のマンションの「資産価値」を唱える声にかき消されつつあるが、根付いている声でもあるはずだ。マンション管理関係者は、マンションを管理不全から救うために「資産価値」を高める話とその必要性をを唱えるが、その責任を管理組合に負わせるだけの話が多すぎるのではないだろうか。
何も「資産価値」だけでそのマンションの評価が左右されなくてもいいはずだ。
マンションの評価を「資産価値」一辺倒だけではなく違う視点から評価する基準もあってもいいと思う。

岡山市マンション管理実態調査

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