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2022年5月13日金曜日

がんばりすぎる理事長

 理事長さんもいろいろ


 マンションの規模も様々です。

100世帯を超える大規模なマンションもあれば、20世帯ぐらいの比較的小さなマンションなどさまざまです。

所有目的も永年住居型、投資型、リゾート型、ビジネス用1ルーム型などなど。

どんなマンションにも分譲である限り、専有部分を所有する区分所有者が複数人存在し、必然的に管理組合が存在します。そして、管理組合の執行機関として理事会も存在することになります。機能しいているかどうかは問わずとも、一応でも理事会は存在するわけで、理事長も存在しているはずです。

理事長さんの勘違い

 輪番制で理事長になった方は、何事もなく無事に任期を終えることを望んでいる方もいることでしょう。管理会社に丸投げしておいて、管理会社からまわってくる決済書類にハンコを押し、担当者のうんちくにうなずいていれば、理事長の職務を全うしたと持っている方もいることでしょう。ハンコを押すたびに、ご自身はさぞ理事長としてのステイタスを感じることが勘違いの始まりです。

勘違いする理事長は他にもいるようです。


MUST理事長

 「MUST理事長」とは、「~でなくてはならない。」「~するべきである。」と思い込みが激しい理事長さんです。

「住民間のルールは~でなくてはならない。」「そのルールを破った〇〇さんは~するべきである。」などなど。いろんな場面でこういう事柄に出くわします。

~しなくてはならない、あるいは、~するべきであるという観念に固着し、すべてが理事長の恣意的ともいえるMUST用語が羅列します。

他の意見を聞き入れる寛容さは失われ、自分の思い描いているイメージどおりでないと気分を悪くするようです。

制約を強い、恣意的な教条主義に走ってしまう大きな勘違い。

こういう方が理事長になると、自分の物差しから外れる事は我慢できないようです。

そして、自分が「正義」だと勘違いされていることです。やがて住民からうさんくさく思われ孤立化してしまいます。

でもこういう熱血漢の理事長がいるこらこそ救われることも多いのも事実です。

即断即決、思い込んだら一直線なので、何事も迅速で、躊躇がありません。

それは頼もしくもありますが、示唆に欠けて判断が危なっかしく思えます。


がんばりすぎる理事長

「自分は管理組合のために理事長として汗をかいてがんばっている。こんなにがんばている自分は一目置かれて当たり前であり、自分の意見は疑う余地は無いから皆は自分の言う通りにしなくてはならない。」非常に困ったチャンでメンドクサイ人なのです。

やたらと熱度が高く、声が大きい。がんばり感モリモリなのです。

 経験上ですが、このようながんばる理事長を観察してみると、

  ・定年退職して家でブラブラ

  ・ついつい攻撃相手を探してしまう

  ・サラリーマン時代は管理職

  ・マンションが会社に、住民が部下に見えてしまう

  ・俺が、俺がの自我の塊と熱度で押しまくる。

  ・自分の事はよく話すが、他人の話はほとんど聞いていない

理事長として熱度をあげることは非常に喜ばしいことですが、その熱度のはけ口がちょっと違います。やたらとがんばり感を出す理事長もちょっと勘違いしているようです。


理事長さんはがんばらくていい

〇「じゃぁ、誰がやるんですか?誰もやらないから自分がやってるんですよ」と息巻く。

「その熱心さは感服します。ただ管理組合の運営は事案の可否を決めるのは二の次です。」

〇「誰も決められないから自分が決めるしかないでしょう。他の理事は、理事会にも出席しないので決まるものも決まらない。」

「先ほども言いましたように、決めるのは二の次です。決めるまでの過程、手続きを大切にしましょう。皆で相談して決めたという過程を大事にしましょう。」

「その熱意を住民の方々とのコミュニケーションを図る方向に向けたらどうでしょうか。住民の同意を得られるように、時には腰を低くし、説明する時間と、根気よく意見を聞く姿勢も大切でしょう。」

「住民の皆さんを巻き込んで管理組合と理事会を活性することが一番の仕事だと思いますよ。」

〇「自分ががんばってるから、この管理組合が機能しているんですよ。他人に任せられません。」

「あなたは充分頑張りました。ご苦労さまです。今度はみんなが頑張れる場をつくるのが理事長さんのお勤めかなとも思います。もうあなた自身が頑張らなくてもいい環境をつくりましょう。」

あなたのマンションの管理費は

駐車場使用料はどこに計上している?



 管理費についての相談はよくあることです。
「うちの管理費は高いのか安いのか、そもそも適正な価格なのか、相場が知りたい。」という内容が最も多いと思います。

先ず管理費は原則、建物の維持管理、メンテナンスにかかる費用と,管理会社に支払う委託管理費(管理会社により費目名がちがいます)
メンテナンスにかかる費用には毎月、定期的にかかる施設点検、清掃(エレベーター、給排水施設、受水槽など)や消防設備点検などにかかる費用など定期点検、法定点検にかかる費用が含まれます。
この他にも清掃、植栽、そして共有部分の電気代などがあります。

維持管理にかかる費用では、小口の修繕費、消耗品(電灯、清掃用具など)、他には管理費収納に関わる事務手数料(振込、引き落とし)など。
これらの費目は年間通じて予想される金額なので予算化するのにあたり、ある程度の金額を予想することができます。いいかえれば、おたくのマンションは年間いくら維持管理費がかかるかという事がわかります。
この年間の維持管理費とは別に管理会社に支払う委託管理費の合計が管理費となります。


駐車場使用料を管理費に計上するワケ


 例えば、マンション1棟分(仮に50世帯)の管理費25/月のうち18万円が種々の維持管理、メンテナンスにかかる費用で残りの7万円が管理会社に支払う委託管理料とします。
そうすると1世帯あたりの管理費は5千円/月という金額が設定されます。実際には予備費を計上して少し上乗せして多少の繰り越しが出るように設定します。

しかし、マンション分譲時のデベロッパーは、お客の購買意欲をそそるため、この管理費をわざと安く設定するのが通常です。
その安くした分の穴埋めに使われるが駐車場使用料です。これが管理費のカラクリです。
例えば駐車場使用料は6千円/月と設定し、それを全額管理費に回すような会計処理を行うことで実質駐車場使用料だけで管理費を補うことがでます。
管理費を3千円/月に設定すれば2千円/月も安いということななります。この余ったお金は次期繰り越しとなりますが、長年このような会計処理を行うと管理費の繰り越しが必要以上に貯まることになります。

必要以上に貯まった管理費のもとで毎年管理会社からいろんな提案がなされるようであれば、それは管理費をもっと使いましょうと言っていることです。
そもそも管理費は通常の維持管理に用されるものなので、特別の用に使われるのであれば修繕積立金から引き落とされなければなりません。
管理費を使っての工事はせいぜい小規模な修繕や更新工事程度のものであり、あらたな施設を新設するような工事は修繕積立金から引き落とすべき性質ものです。

ある程度貯まった管理費を吐き出させるため、管理会社はなんらかの提案を持ち込み、施設工事やら更新工事に使おうとします。そうして駐車場使用料は管理費として喰われることになります。
国交省ではこの管理費と修繕積立金との計上する費目を細かく規定しています、ただ駐車場料金を管理費に計上していても違反とするような規定はありません。
マンション個々の実情を鑑みてのことでしょうが、駐車場使用料は修繕積立金に計上するのが望ましいというコメントを出しています。


駐車場使用料は貯めるもの


 本来管理費は貯めることが目的ではなく、貯める目的なものは、修繕繕積立金です。
したがって駐車場使用料は全額そのまま修繕積立金に積み立てていくことがマンションの資産価値を高めることに直結します。
駐車場使用料で管理費を穴埋めしていては、肝心な修繕積立金を貯めることができなくなります。今、修繕積立金が足らなくて修繕工事ができなき管理組合が非常に多くあります。
足らない理由の一つとして、駐車場使用料を管理費に計上していたということも一因となっていることもありましょう。早くからこのことに気づいて是正していればと思います。
大規模なマンションでは、そもそも駐車場を無料とするところもあります。

しかしながら小さなマンションで、管理費が危ういところは、あえて駐車場使用料を管理費に計上しているところもあります。修繕積立金の余裕もなく管理費にも困るマンションでは、しかたのないことかもしれません。


修繕積立金は駐車場使用料に含む


 修繕積立金の設定は、この駐車場使用料込みで考えていくことが大切です。
このマンションの場合、修繕積立金を1戸あたり4千円/月と設定すれば、駐車場使用料と合わせて1万円/月となり、マンションとして合計で年間600万円を貯めることができます。
1215年周期の大規模修繕時には7200万円~9000万円超を貯めることができます。
積み立てる金額は多ければその分支出に対してもいろんな選択ができます。お金がなければ何もできません。今はそんなに貯めなくてもいいと考えても、マンションにかかる費用は修繕工事だけではなく、機能的なリニューアル工事、セキュリティとバリアリーフのための機能向上を有する工事などに費やすことができます。

時代に必要とされるマンションの機能と形態に対応しなくては、やがてそのマンションは陳腐化していくでしょう。当然マンションの資産価値は下がります。ただ外観がきれいだけで、機能的に時代遅れのマンションに需要があるとは思いません。

そのための工事は大規模修繕工事とは別に考えなければならない工事でしょう。高経年マンションの場合、やがてくるだろう建替えの費用も選択肢に入ってきます。だからこそ、中長期的な視野にたっての資金づくりが必要になります。
これらの積立金額の計算は、個々の経済事情、建物劣化、人件費等で変動するものです。修繕計画は5年単位でその金額を見直す作業が必要になるでしょう。


管理会社も知っているカラクリ


 駐車場使用料を管理費に計上するカラクリは管理会社も周知のとおりです。
もっとも、知っていても会社に不利になるようなことをマンション住民の方々にあえて説明することはないでしょう。
  • 駐車場使用料で管理費を埋め合わせ、管理費が安いことを強調。
  • 様子を見て、他に比べて管理費が安い事を理由に管理費を値上げ提案。
  • 駐車場使用料が、管理費に喰われているので修繕積立金は貯まらない。
  • 様子見て、修繕積立金も値上げを提案。
このようなカラクリでマンション管理業界はまわっています。
 お宅のマンションの駐車場使用料が管理費に計上されているのか、修繕積立金に計上されているかを調べてみてはどうでしょうか。
 

岡山市マンション管理実態調査

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