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2022年7月23日土曜日

自主管理について

 小規模マンションの管理


管理会社の撤退

 最近よく見聞きするのが管理会社による管理組合の撤退。管理会社の更新が当たり前のようであった時代からは考えられないような状況が広がりつつある。
住友不動産建物サービス(建サ)が2年ほど前から、今後不採算が見込まれる管理組合、諸事情に問題を抱えた管理組合などの将来リスクを避けるためマンション戸数規模に関わらず契約を更新しないと発表した。この動きに各管理会社からは「よくぞ言ってくれました。」と同調気配。主従の逆転となるこの流れは一気に業界を駆け巡り、管理組合のお客様意識を変えるよい機会になったといえる。
管理会社の多くは淘汰されつつ、適正化法の縛りによりサービスの標準化がなされつつあるが、管理組合には法と契約による管理意識と組合認識が乏しい故、管理会社に主張と批判を繰り返しお客様意識によるクレーマー集団となっていることも多々あると言っていい。

 どこの管理組合でもそうだが、しっかりと運営なされている管理組合は管理会社がどこであろうと関係がない。管理会社によって管理組合が弱くなることはない。管理組合と管理会社は緊張感と距離感をもちながらのパートナーでしか過ぎず、管理主体は管理組合にあるもののそこに上下の関係はない。管理組合さえしっかりしていれば、管理会社に左右されることはないし、管理会社の責任云々の話しはでてこない。理事長が「管理会社がぁ」と声高に叫ぶ様を見る度にやれやれと思うのは私だけではないはずだ。管理会社の非を責める熱量がある分その熱量を管理区組合の建設的な是正に向ければどれだけ助かるかと思うことしばしある。

小規模マンションの場合

 ある事情により管理会社から管理打ち切りを宣告された管理組合のその後の管理形態をみると、大方自主管理へと移行するようだ。というか自主管理しか道はないというのが正直なところ。今まで良かれ悪しかれ管理会社に頼ってきたものが突然自分たちで管理を行わなければならなくなった時、各組合員の負担は想像を超えることに気が付くはずだ。出納は誰がどのような方法で行うか、会計は誰が責任をもって行うのかなど運営の基幹に係る諸事に試行錯誤で名ばかりの管理で責任をないがしろにされ、管理体制と内容はやがて惰性と曖昧さ生み、独善から横暴がはびこり、長年居座り続ける理事長はやがて癒着と横領に至るのが一般的だ。
ただし自主管理の形態も昔とその様は変化している。今では自主管理をサポートする管理会社のサービスも存在する。

自主管理サポートに特化

 1つは、自主管理で最も悩ましい出納・会計業務のみをサービスする管理会社も存在する。フロントは存在しないし管理組合運営にタッチしないので料金は大幅に安くなる。このサービスを起ち上げてる管理会社も大手で限られているものの自主管理で人手も乏しい小規模なマンションとしてはありがたい存在ななることだろう。

2つめは、自主管理に特化したアプリを管理組合に導入し、このアプリ上で出納・会計管理を行うもの。管理会社から購入したアプリを組合員が3カ月程度導入、操作方法の講習を受けた後はスマホで承認から支払い、決済まで行う。スマホの基本操作が必須だが、管理内容の透明性は群を抜いているので、今後このような方法が普及するように思える。現在三菱地所の「KURASEL」が先行しているが、あなぶきハウジングの「SMUSIA」も関東圏でサービスを行うことが発表された。今後、各管理会社も自主管理の管理組合を取り囲むため、アプリ開発を進めて普及を図るとみられる。

このような自主管理支援アプリの導入することにより、出納・会計業務から解放され、組合運営に注力することができる点は大きく、昔のような自主管理という負のイメージを払拭することになるかもしれない。

岡山市マンション管理実態調査

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