岡山のマンション管理会社あれこれ

 デベ、ゼネ、独立系の勢力図

管理会社のあれこれ

　一般にマンションの管理会社は、デベロッパー系、ゼネコン系、独立系に分けられます。
分譲中のマンションのカタログには管理会社が既に決まっていることに気づくことがあります。マンション開発事業者であるデベロッパーが建設したマンションだから管理会社は〇〇、大手建設会社ゼネコンが設計、施工したから管理会社は〇〇などとよく言われます。
このように管理会社もマンションの事業主グループ内にある管理部門に管理を任せるという図式ができています。
　数年前では地元の独立系管理会社の姿がありましたが、この業界の淘汰は激しく、M&Aを繰り返して現在の勢力模様になっています。同業社が親会社であったり、大手株主であったり、提携して別管理会社を設立したり、また親グループの巨大化に伴い、系列内に複数の管理会社を擁するなどその形態は様々です。今後管理会社の離合集散はまだまだ続きそうです。

デベロッパー系管理会社

　マンション開発事業者その多くは、いわゆる〇〇不動産会社の類で、土地を買い付けた後、建設会社にマンション建設工事を発注します。デベロッパーの多くは、自社系列内の管理部門を担当する会社、もしくは子会社の管理会社に管理をを任せます。全国展開する大京アステージをはじめ三菱地所コミュニティ、広島を拠点に中国地方になじみがあるマリモコミュニティ、章栄管理がこれにあたります。穴吹工務店は2009年経営破綻後、大京グループ内に入り、ゼネコン機能も有する会社となりました。同じくグループ内の管理会社である穴吹コミュニティも大京グループ傘下となり、大京はグループ内に複数の管理会社を擁することになりました。

　岡山県下で代表的な親会社/マンションブランド/管理会社は次のとおり
親和不動産以下のマンションでは傘下に管理会社を持たないので独立系の管理会社が入っているようです。

あなぶき興産/アルファステイツ/あなぶきハウジング

大京/ライオンズ/大京アステージ

大京（穴吹工務店）/サーパス/穴吹コミュニティ

三菱地所レジデンス/ザ・パークハウス、ザ・パークハウスグラン/三菱地所コミュニティ

マリモホールディングス/ポレスター、グヴラディス/ＧＭアソシエ

章栄不動産/フローレンス/章栄管理

信和不動産/ヴェルディ/穴吹コミュニティ
和田コーポレーション/ロイヤルガーデン/合人社
昭和住宅（岡山支店）/リベール/日本ハウズィング

東急不動産ホールディング/ブランズ（関東）/マリモコミュニティ（マリモグループから東急グループに入る。株主は東急コミュニティ）

その他、両備ホールディング（まちづくりカンパニー）のグレースタワーシリーズなどタワーマンションなどが目につきます。

ゼネコン系管理会社

　総合建築請負会社であるゼネコンはデベロッパーから受注するマンション建築の他、グループ内の組織力で、用地取得からマンション建設までを自力で一括して受けるだけの力をもち合わせています。大手ゼネコンは建築の総合商社のようなもので設計、施工、売主、管理までを完結できる総合力が強みといえます。そのゼネコン系列の管理会社で岡山を代表する管理会社といえば、あなぶきハウジングサービスと長谷工コミュニティ。　

　2021年12月、岡山市北区表町の商業ビル「岡山ロッツ」跡地に長谷工と企業共同体が200戸以上の大型マンションを建設する報道があり、大手ゼネコンまたはデベロッパーを中心に岡山市中心街に再開発の波は当分続きそうです。
　ここでも岡山県下で代表的なゼネコン/マンションブランド/管理会社を紹介します。

あなぶき興産/アルファステイツ/あなぶきハウジングサービス

長谷工コーポレーション/ブランシエラ、アデニウム、プレミスト/長谷工コミュニティ
和建設/ビ・ウェル、ビ・ウェルフレックス　/独立系管理会社（岡山県下）

独立系管理会社

　デベロッパー、ゼネコンなど親会社に属するのではなく、競合する管理会社の中で、管理組合から業務を直接受託します。そのためサービス、仕様、管理経験とノウハウに持ち味を出し、管理能力と提案力で管理会社間の競争に打ち勝つことを基本とします。良くも悪くも限られたパイを奪い合う形となるので受ける管理組合毎に、価格、サービスなど各会社により仕様は異なります。現在では管理コストの高騰を理由に管理会社が管理組合との契約を更新しない事例が多く続くなど管理会社も体質強化を図っています。
　岡山県下で代表的な独立系会社を紹介します。

合人社　独立系の最大手　第三者管理方式　2021.6倉敷市に営業所開設

日本ハウズィング　経験ある業界大手、合人社が大手株主
日本住宅管理　日本管財のグループ会社

　便宜上、管理会社の体質を３つの形態にわけましたが、この業界は管理開始時から変わらず同じ管理会社で居続けることは難しく、管理組合によるリプレイスが待っています。このリプレイスを喰う、喰われるの状況にさらされている状況下である以上、管理会社の経営基盤の底上げと基盤強化が急務とならざるを得ません。

　昨年、野村不動産パートナーズから始まった採算不良の管理組合から撤退するという一連の動きが各管理会社にも波及しています。今まで管理組合に主導権があった委託依頼も、今では管理会社が管理組合に背を向けることが多くなりつつあります。
管理辞退を宣告され、新たに引き受ける管理会社が見つけられない状況下の管理組合においては、その先行きは非常に厳しいものとなるでしょう。くれぐれも管理組合の財政健全化と共に管理会社との適正な関係を維持することをお忘れなく。

岡山エリア管理会社勢力図

　岡山県下の管理戸数上位10社の管理会社をグラフに表しました。
まだ岡山県のマンションストック数が32,000戸時の統計（2021年時約33,700)ですが、管理会社のシェアに大きな変動はないと思います。
さすが地元であるあなぶきハウジングサービスと穴吹コミュニティとで全体の50％近くを占め、合人社が後を次ぎます。
・・・コミュニティの名が付く管理会社がいかに多いことか。