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2022年5月13日金曜日

あなたのマンションの管理費は

駐車場使用料はどこに計上している?



 管理費についての相談はよくあることです。
「うちの管理費は高いのか安いのか、そもそも適正な価格なのか、相場が知りたい。」という内容が最も多いと思います。

先ず管理費は原則、建物の維持管理、メンテナンスにかかる費用と,管理会社に支払う委託管理費(管理会社により費目名がちがいます)
メンテナンスにかかる費用には毎月、定期的にかかる施設点検、清掃(エレベーター、給排水施設、受水槽など)や消防設備点検などにかかる費用など定期点検、法定点検にかかる費用が含まれます。
この他にも清掃、植栽、そして共有部分の電気代などがあります。

維持管理にかかる費用では、小口の修繕費、消耗品(電灯、清掃用具など)、他には管理費収納に関わる事務手数料(振込、引き落とし)など。
これらの費目は年間通じて予想される金額なので予算化するのにあたり、ある程度の金額を予想することができます。いいかえれば、おたくのマンションは年間いくら維持管理費がかかるかという事がわかります。
この年間の維持管理費とは別に管理会社に支払う委託管理費の合計が管理費となります。


駐車場使用料を管理費に計上するワケ


 例えば、マンション1棟分(仮に50世帯)の管理費25/月のうち18万円が種々の維持管理、メンテナンスにかかる費用で残りの7万円が管理会社に支払う委託管理料とします。
そうすると1世帯あたりの管理費は5千円/月という金額が設定されます。実際には予備費を計上して少し上乗せして多少の繰り越しが出るように設定します。

しかし、マンション分譲時のデベロッパーは、お客の購買意欲をそそるため、この管理費をわざと安く設定するのが通常です。
その安くした分の穴埋めに使われるが駐車場使用料です。これが管理費のカラクリです。
例えば駐車場使用料は6千円/月と設定し、それを全額管理費に回すような会計処理を行うことで実質駐車場使用料だけで管理費を補うことがでます。
管理費を3千円/月に設定すれば2千円/月も安いということななります。この余ったお金は次期繰り越しとなりますが、長年このような会計処理を行うと管理費の繰り越しが必要以上に貯まることになります。

必要以上に貯まった管理費のもとで毎年管理会社からいろんな提案がなされるようであれば、それは管理費をもっと使いましょうと言っていることです。
そもそも管理費は通常の維持管理に用されるものなので、特別の用に使われるのであれば修繕積立金から引き落とされなければなりません。
管理費を使っての工事はせいぜい小規模な修繕や更新工事程度のものであり、あらたな施設を新設するような工事は修繕積立金から引き落とすべき性質ものです。

ある程度貯まった管理費を吐き出させるため、管理会社はなんらかの提案を持ち込み、施設工事やら更新工事に使おうとします。そうして駐車場使用料は管理費として喰われることになります。
国交省ではこの管理費と修繕積立金との計上する費目を細かく規定しています、ただ駐車場料金を管理費に計上していても違反とするような規定はありません。
マンション個々の実情を鑑みてのことでしょうが、駐車場使用料は修繕積立金に計上するのが望ましいというコメントを出しています。


駐車場使用料は貯めるもの


 本来管理費は貯めることが目的ではなく、貯める目的なものは、修繕繕積立金です。
したがって駐車場使用料は全額そのまま修繕積立金に積み立てていくことがマンションの資産価値を高めることに直結します。
駐車場使用料で管理費を穴埋めしていては、肝心な修繕積立金を貯めることができなくなります。今、修繕積立金が足らなくて修繕工事ができなき管理組合が非常に多くあります。
足らない理由の一つとして、駐車場使用料を管理費に計上していたということも一因となっていることもありましょう。早くからこのことに気づいて是正していればと思います。
大規模なマンションでは、そもそも駐車場を無料とするところもあります。

しかしながら小さなマンションで、管理費が危ういところは、あえて駐車場使用料を管理費に計上しているところもあります。修繕積立金の余裕もなく管理費にも困るマンションでは、しかたのないことかもしれません。


修繕積立金は駐車場使用料に含む


 修繕積立金の設定は、この駐車場使用料込みで考えていくことが大切です。
このマンションの場合、修繕積立金を1戸あたり4千円/月と設定すれば、駐車場使用料と合わせて1万円/月となり、マンションとして合計で年間600万円を貯めることができます。
1215年周期の大規模修繕時には7200万円~9000万円超を貯めることができます。
積み立てる金額は多ければその分支出に対してもいろんな選択ができます。お金がなければ何もできません。今はそんなに貯めなくてもいいと考えても、マンションにかかる費用は修繕工事だけではなく、機能的なリニューアル工事、セキュリティとバリアリーフのための機能向上を有する工事などに費やすことができます。

時代に必要とされるマンションの機能と形態に対応しなくては、やがてそのマンションは陳腐化していくでしょう。当然マンションの資産価値は下がります。ただ外観がきれいだけで、機能的に時代遅れのマンションに需要があるとは思いません。

そのための工事は大規模修繕工事とは別に考えなければならない工事でしょう。高経年マンションの場合、やがてくるだろう建替えの費用も選択肢に入ってきます。だからこそ、中長期的な視野にたっての資金づくりが必要になります。
これらの積立金額の計算は、個々の経済事情、建物劣化、人件費等で変動するものです。修繕計画は5年単位でその金額を見直す作業が必要になるでしょう。


管理会社も知っているカラクリ


 駐車場使用料を管理費に計上するカラクリは管理会社も周知のとおりです。
もっとも、知っていても会社に不利になるようなことをマンション住民の方々にあえて説明することはないでしょう。
  • 駐車場使用料で管理費を埋め合わせ、管理費が安いことを強調。
  • 様子を見て、他に比べて管理費が安い事を理由に管理費を値上げ提案。
  • 駐車場使用料が、管理費に喰われているので修繕積立金は貯まらない。
  • 様子見て、修繕積立金も値上げを提案。
このようなカラクリでマンション管理業界はまわっています。
 お宅のマンションの駐車場使用料が管理費に計上されているのか、修繕積立金に計上されているかを調べてみてはどうでしょうか。
 

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