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2022年1月3日月曜日

統計からみる岡山(中・四国)【管理費編】

都会のマンション、中国・四国のマンション





【管理費編】

  引き続き2018年度マンション総合調査(国交省)統計から中国・四国と都市圏のマンションの違いを見ていきたいと思います。今回は管理費編です。

管理費が高い、安いとよく問題になることがありますが、管理費を比べるにあたり前提条件があります。

1.使用料・専用使用料を、全額管理費に充当(計上)している。
2.使用料・専用使用料を、全額修繕積立金に充当(計上)している。
3.使用料・専用使用料を、管理費、修繕積立金それぞれ割合に応じて充当(計上)している。

 このどちらかによって管理費の金額は大きく変わってきます。
本来これら使用料は修繕積立金に充当して積み立て、修繕積立金不足を補うものとして計上するのが本筋ですが、管理組合によっては管理費不足を補うため、これら使用料を全額あるいは一定割合で管理費に充当するところもあります。

 修繕積立金不足に悩む管理組合が、もし、これら使用料を全額管理費に充当しているとすれば、これを修繕積立金に充当するように変更することによって、修繕積立金の不足を大きく補えることになります。修繕積立金の不足が問題化する前に改めたいところです。
ぜひ、皆さんの管理組合収支報告書で管理費の内訳、使用料・専用使用料が管理費に充当しいてるのか、それとも修繕積立金に充当しているのかを確認してみてください。
そして、その金額が次表から続く「相場感」に入っているかどうかも確認してみてください。

1.管理費収入/月(使用料・専用使用料からの充当含む)(上段:回答数 下段:%)
合計~100
万円
~200
万円
~300
万円
~400
万円
~500
万円
~600
万円
~700
万円
~800
万円
~900
万円
~1000
万円
1000
万円超
不明平均
(万円)
中国・四国
218131215112-113151
113
10060.19.62.30.50.50.9-0.50.51.40.523.4
東京圏
36212244629197777331397
246
10034.312.785.21.91.91.91.90.80.83.626.8
京阪神圏
222814013982--12162
176
10036.5185.94.13.60.9--0.50.90.527.9
東京圏の平均額は中国・四国の倍以上の246万円/月。大規模マンション群は総収入も多い。駐車場代や専用庭使用料、ルーフバルコニー使用料などを少しでも管理費に計上している金額だということに注


2.管理費収入/月/戸当たり(使用料・専用使用料からの充当含む)
(上段:回答数 下段:%)
合計~2500円~5000円~7500円~10000円~15000円~20000円~30000円~40000円~50000円50000円超不明平均
中国・四国
2183310156047173--60
14,590
1001.41.44.66.927.521.67.81.4--27.5
東京圏
362112212875645061698
16,442
1000.33.35.87.720.717.713.81.70.31.727.1
京阪神圏
2222115144936334-365
16,848
1000.90.56.86.322.116.214.91.8-1.429.3
1.で倍近かった平均額でも、戸数で割ると中国・四国は都市圏に比べ10%程度安い


3.管理費収入/月/㎡当たり(使用料・専用使用料からの充当含む)
(上段:回答数 下段:%)

合計~50円~150円~200円~300円~400円~600円~800円~1000円1000円超不明平均
(円)
中国・四国
2184114739711--85
194
1001.8521.617.930.50.5--39
東京圏
36271544762213551148
263
1001.94.112.2216.13.61.41.40.340.9
京阪神圏
2223122943102--297
218
1001.45.413.119.44.50.9--0.943.7
都市圏平均では200円/㎡超。中四国はかろうじて200円/㎡を割る

4.使用料・専用使用料からの管理費への充当額/月(上段:回答数 下段:%)
合計~100万円~200万円~300万円~400万円不明平均
(万円)
中国・四国
21814552264
36.8
10066.52.30.90.929.4
東京圏
3622072768114
52.1
10057.27.51.72.231.5
京阪神圏
222124214469
54.6
10055.99.51.81.831.1
1の内訳である。月当たりいくら充当したかを表す。充当した費目まではわからない


5.使用料・専用使用料からの管理費への充当額/月/戸当たり上段:回答数 下段:%)
合計0円~2500円~5000円~7500円~10000円~15000円~20000円~25000円~30000円30000円超不明平均
(円)
中国・四国
21821133233241542--74
5,915
1009.6614.715.1116.91.80.9--33.9
東京圏
362426657362613233-114
4,315
10011.618.215.79.97.23.60.60.80.8-31.6
京阪神圏
22223243221281471-171
5,666
10010.410814.49.512.66.33.20.5-0.532
2の内訳である。約15,000円の管理費のうち約6,000円分の使用料を管理費に充当している.
これは、使用料などを修繕積立金に充当するより、管理費に充当する比率が高いということになる。

6.管理費収入/月(使用料・専用使用料からの充当金を除く) 
上段:回答数 下段:%)
合計~100万円~200万円~300万円~400万円~500万円~600万円~700万円~800万円~900万円~1000万円1000万円超不明平均
(万円)
中国・四国
218140412311--1164.0
78.0
10064.21.80.50.91.40.50.5--0.50.529.4
東京圏
3621354524116776455110.0
198.1
10037.312.46.631.71.91.91.71.11.41.430.4
京阪神圏
22210519167212-1--69.0
118.1
10047.38.67.23.20.90.50.9-0.5--31.1
1と違い、使用料・専用使用料は管理費へ充当しないとした正味な管理費額。使用料・専用使用料は修繕積立金などに充当していると考えられる。1と比べ約40万円ほど安い。

7.管理費収入/月/戸当たり(使用料・専用使用料からの充当金を除く)
上段:回答数 下段:%)
合計~2500円~5000円~7500円~10000円~15000円~20000円~30000円~40000円~50000円50000円超不明平均
(円)
中国・四国
21871034453873---74.0
9,120
10034.615.620.617.431.4---33.9
東京圏
3626143540993415113114.0
12,275
1001.73.99.71127.39.44.10.30.30.831.5
京阪神圏
2224142830471691-271.0
11,382
1001.86.312.613.521.27.24.10.5-0.932.0
2と比べると平均額は6,000円ほど安く10,000円を割る。使用料・専用使用料を充当しない場合の管理費相場は、戸当たり約9,000円前後ということになる ここは覚えておきたい。


8.管理費収入/月/㎡当たり(使用料・専用使用料からの充当金を除く)
上段:回答数 下段:%)
合計~50円~100円~150円~200円~300円~400円~600円~800円不明平均
(円)
中国・四国
2188405120331191
118
1003.718.323.49.21.41.40.50.542
東京圏
36210294751141447156
179
1002.881314.13.93.91.11.943.1
京阪神圏
2229354519331197
135
1004.115.820.38.61.41.40.50.543.7
3と比べ76円安い118円。都市圏と比べても20~60円ほど安い。使用料・専用使用料を充当しない場合の管理費相場は、㎡当たり約120円前後ということになる ここも覚えておきたい

次回は修繕積立金編の予定です。


2021年12月30日木曜日

統計からみる岡山(中・四国)のマンション【規約編】

 都会のマンション、中国・四国のマンション


【規約編】


 今回は管理規約について統計をみていきます。
すでにお話したとおり、2018年度マンション総合調査(国交省)からの統計を基にしています。

1.管理規約の有無  (上段:回答数 下段:%)
合計あるない不明
中国・四国
21821233
10097.21.41.4
東京圏
36235912
10099.20.30.6
京阪神圏
222221-1
10099.5-0.5
管理規約がないと回答する管理組合ってどうなの


2.管理規約の改正の有無  (上段:回答数 下段:%)
合計あるない不明
中国・四国
212185225
10087.310.42.4
東京圏
359331262
10092.27.20.6
京阪神圏
22119022110
100869.54.5
管理規約は改定を積み重ねてなんぼのもの。原始規約のままはありえない


3.管理規約の最終改正年 (上段:回答数 下段:%)
合計~平成元年~平成6年~平成11年~平成16年~平成21年~平成26年平成27年以降不明
中国・四国
1851---3116812
1000.5---1.60.590.86.5
東京圏
331-11471827327
100-0.30.31.22.15.482.58.2
京阪神圏
190-1-15516513
100-0.5-0.5.2.62.686.86.8
民泊、反社に関する問題が規約改正を加速さたのでしょうか


今回は規約に関しての調査でした。あまり都市圏との顕著な差というものは感じられませんでした。次回は「管理費」についての調査の予定です。

2021年12月29日水曜日

岡山で初めてのマンション

1970年10月 岡山初のマンションが誕生

万国博覧会

 1964年(昭和39年)東京オリンピックが開催され、日本中が高度経済成長に湧き、所得倍増計画で誰しもが中流階級として安定的な生活を享受し始めて6年後、1970年(昭和45年)に大阪万博が開催されました。日本各地に大規模な公営団地が立ち並び、民間の分譲マンションの黎明期のころです。マンションストック数も右肩あがりを続けて全国でその数は約94.3万戸となっていました。その年に岡山県ではじめてのマンションが誕生しました。今から51年前のことです。

NK内山下コータース

NK内山下コータース
 岡山市北区内山下に岡山初のマンションが完成しました。その名は「NK内山下コータース」
コータースとは現在では福住の家造りの総称とされますが、QUARTERSの本来の由来は、中世ヨーロッパの上流階級の格式高い住まいの象徴がその語源となっているようです。まだマンションということばが一般的ではなかったこの頃、時にこのような独特な呼称が与えられたことに、この建物に対する強い想いが伝わります。NKは何の略でしょうか。
650㎡の敷地面積に7階建て、RC造り、31戸、40~60㎡の2LDKの専有面積を有します。分譲価格は550万円~900万円、平均面積と平均価格は48.45㎡と600万円。坪単価30万円。最多価格帯は800万円の物件でした。
1階を赤レンガ風、2階以降を白を基調としたこのマンションは現在でも存在しており、外観を見る限りとても半世紀前の建物とは思えないほど整然としています。現在でも。不動産情報などで、その詳細を知ることが出来ます。
その後、1972年に地元の不動産会社角南が4階建てRC造り32戸「角南豊成フォートレス」を分譲したことにより、岡山にマンションの波が到来していくことになります。

マンション開発の波からオイルショックへ
 1973年(昭和48年)3月には地元の不動産会社三長商事が岡山市北区に「いわいサンコーポ」を分譲。7階建てRCで189戸を分譲、初の大規模なマンションとして登場。続く8月には中区に「メゾン操山」が分譲を開始しました。7階建てRCで91戸、特に平均専有面積は70㎡を超えるなどファミリー向けの大型マンションとして注目されました。この時期は岡山にとってはマンションの黎明期だったのでしょう。
1970年に始まったマンション建設の波は、その後1972年に1棟、1973年に8棟、1974年に9棟とその数を順調に重ねましたたが、1973年から始まった第1次オイルショックにより市場は低迷。その後は1975年に1棟、1976年には3棟にとどまりました。

倉敷富井フォートレス
倉敷市初のマンション

 では、倉敷市で初めてのマンションはどうでしょうか。
1973年7月に「倉敷富井フォートレス」が分譲を開始。6階建てRC、水島臨海鉄道に沿うように建てられ、赤い屋根が特徴です。敷地面積1454㎡、専有面積32.9㎡~53.2㎡(2DK~)で64戸、坪単価34万円、分譲価格295万円~595万円で最多価格帯は400万円台で分譲されました。
このマンションが倉敷市ではじめてのマンションといわれています。



このブログは下記の文献を参考にしました。
 混迷する中古マンション流通市場
 麻賀又彦著
 大学教育出版

2021年12月28日火曜日

スケルトンインフィル(SI) 倉敷市中庄団地第2期

 

倉敷市営中庄団地のSI住宅


倉敷市営中庄住宅


スケルトンインフィル(SI)とは

 建築の話をしよう。でも私は建築家ではありません。
スケルトンとは骨格、インフィルはフィルインから名詞形となりインフィルと称し、主に内装と訳される。構造物の骨格(共用部)とレイアウトの自由を許す内装(専有部)とを分けて設計された住宅。とりわけ長寿命を可能にする構造素材とライフスタイルの変容に合わせた間取りの自由度がこのSI住宅のメリットと言われる。

共用部である構造物はとりわけメンテナンスが容易になるように設計される。
既存の一部のマンションでは床下スラブを貫通して排水管が走ることがある、そこで管が破水すれば階下の住居の天井に水がたまることになり、やがて天井から水漏れとなって事故となる。階下住民の天井をはがさねければ排水管の修繕工事を行うことができない。残念ながら、加害者と被害者の図式ができあがってしまう。このようなことはお互いの住民、とりわけ管理組合に多大な不安と負担を強いることになる。

SIにすると

 スケルトンで設計すると床スラブの上に空間をつくりその上に床をはることになる。いわゆる2重床で、この空間に勾配をつけて排水管を廻すことになる。万が一破水しても床下スラブ上に貯まるだけで階下には漏れない。住民も床下を見ることが出来るので、配管の状況とメンテナンスが容易にできるので不安はない。このことは室内レイアウトを自由に変更することを意味する。床下空間のおかげで、給排水管の配管周りは自由に配策することで、台所、風呂場、トイレの位置を自由に変えることができる。既存のマンションではフロア全体が2重床ではないため、このような自由なレイアウトは作れない。
同じように天井も2重天井となる。換気ダクトなどを自由に配策することができる。ベランダにエアコンの室外機を配置きさえすれば、天井裏にダクトを各部屋まで自由に配置することができる。

SDGs指向のSI

 全フロアが2重床と2重天井で設計されれば階高は必然と高くなり最低でも3.5m以上は必要になるのではないかと思う。そして間取りを自由なレイアウトを可能にするために耐力壁を不要とするだけの耐震設計にしなければならない。給排水立管及び電気、ガス本管やメーターなどインフラ設備は共用部分に集中させ、専有部分と分離させる。
昨今SDGsの気運から持続可能な集合住宅とは何かと考えるとスケルトンインフィル指向の住宅は合致しているように思える。

SI集合住宅、先駆けは倉敷市にあり

 というわけで、素人が恐れずも建築の話をしましたが、テーマのお題にもあるように、このスケルトンインフィルのポリシーで設計されたのではないかという住宅が岡山県にもありました。公営住宅が先駆けてSI住宅を手掛けています。
岡山県倉敷市中庄にある倉敷市営団地がそうです。県営と市営が入り混じる団地で県営住宅は平成6年度建築文化賞を受賞しています。
第2期工事からはじまった市営団地群にその設計自由度が与えられ、SIを意識した住宅造りが関係者の間では好評のようです。
 2重床や2重天井ではなく完全なSI住宅とはいえませんが、配管は露出配管を基本とし、住戸のプランや設備改修の容易さを重視した設計となっています。特異なのは、2戸を隔てるコンクリートの壁を1.8メートル分だけコンクリートを抜いているという設計になっています。これは将来2世帯住宅など2戸を合わせて1戸に改修できることを意図するなど、間取りプランを柔軟に変更できることを意味しています。興味ある方は一度見てみることお勧めします。棟をつなぐブリッジのデザインに一般の市営住宅とは違った印象ををもたれることでしょう。

SIマンション分譲 例えば

 今後もし、あるデベロッパーがこのようなマンションを売ることは可能だろうか。
例えば建物(共用部)をつくり、専有部分は床も天井もなくむき出しのコンクリートのみの状態で売る。それを不動産屋が一括購入する。不動産屋は専有部分のレイアウトパターンを数種類用意して、客の要望する間取りに合わせて施工分譲する。どうだろうか。たぶん分譲価格は高くなりそうですね。でもこんなマンションもあってもいいのでは。

グレースタワーⅢ

 両備ホールディングが2018年末、岡山市柳川の交差点のシンボルマークとして分譲したグレースタワーⅢもこのスケルトンインフィルの設計が取り入れられているようです。
さすがに前述のようにむき出しコンクリートのままで、間取りを完全オプション扱いにして売り出すなんてことはしていませんが、定型の間取りを分譲としながらも2重床、2重天井の採用でリノベーションによる自由なレイアウトを可能にしています。
将来のライフスタイルの変容に合わせた間取りが可能ということは定住型のマンションに相応しい設計と思います。
グレースタワーⅢ スケルトンインフィル


なお、スケルトンインフィルの集合住宅として倉敷市営中庄団地の詳細を紹介する本がありました。
「建築設計資料」建築資料研究所








マンション保険の見直し

  マンション保険のことを知ろう 昨今マンション保険の値上げが止まらない。5年毎の更新さえ忘れがち。気が付けば保険の更新時期となり見積金額をきいて思考停止になる事も多々あると聞きます。 今回は保険料見直しについて。 個人賠償責任保険(個賠) そこで今回は2023年倉敷市マンション...