マンション長寿化施策
マンション化率が30%を超える東京都心であれば、マンション施策は都市計画に直結する。
都心に限らず、中核都市、政令指定都市、自らマンション施策を発信している地方都市も少なくない。大なり小なり国の施策に倣い横並びの感が否めないが、もはやマンションを抜きにしては都市計画は語れない。マンション施策の底上げが急務であることには変わりない。
また、高経年化するマンションを管理不全にさせない。高経年マンションの長寿化施策のためにと直接、間接に介入するのも行政に仕事であろうかと思う。
岡山市マンション管理実態調査
2022年4月管理適正化法改正にて行政が必要に応じて管理不全予備軍のマンション管理組合に指導、助言、勧告等をおこなうことができるとしている。実際には、長寿化を促すための高経年マンションの管理実態を把握していても、実務的な改善案に促すことができるほどマンパワーが揃っているとは思えない。また横連携も希薄だ。
そもそもマンション管理組合を対象とした実態調査自体の資料があるのか、ないのかが分からないという問題がある。行政が市内マンションの管理状況をどこまで把握しているのか、把握していないのか、把握していても手が出せないのか、問題が表面化していない認識で蓋をしているのか。答えがわからないことが問題だと思っている。
岡山市が公表しているマンション関係に実態調査資料といえば、2012年岡山市が岡山大学に委託したレポートがあるのみ。もう12年も前のことだ。
・2012年岡山市におけるマンション管理の実態調査結果報告
これ以降、岡山市内のマンション管理組合の管理内容関する統計資料は公表されていない。
いや、正確には持っていても公表はしていない。
・2021年岡山市分譲マンション管理実態調査
そして、2012年の実態調査資料、2021年の実態調査のに関する内容の記述は、
最近市のHPから消えた。偶然だろうか。
公表してからが始まり
-自分のマンションを知る-
マンションの実態調査の結果を公表することで、自分のマンションの立ち位置を知ることが出来る。管理組合にとってこの情報は非常にインパクトがある。自分のマンションを比較して知ることで管理意識向上のインセンティブを与えるきっかけになり得る。これを機に関係団体との横連携を促すきっかけにもなるかもしれない。公表することで官民がマンション管理を語る土俵が出きるかもしれない。公表の意義は大きい。
岡山市内マンション化率は北区では14%ほどある。この地域だけ突出している。中心地のコンパクトシティ化は街をマンション化を促す施策でもある。
高経年マンションの長寿化を促すためにも、管理不全マンションをださせないためにも、岡山市のマンション管理実態調査を早急に行い、公表し、マンション施策について語られるように土俵を作ってもらいたいものだ。
実態調査を行うにあたり岡山県マンション管理士会もそのお手伝いができるものと思う。
部分委託など調査、分析の一端を担う団体として行政との連絡を密にとりたいと思う。